(2019.11.17)
前号ではセドナからモニュメントバレー、さらにUT-261(ユタ州道261号)を北上して、険路(モキダグウェイ)をよじ登り、絶景に息をのんだところまでご覧いただきました。 今号はいよいよ奥ユタ地域(Deep Utah District、DUD)の核心部に分け入って、コロラド川が刻んだ大峡谷と奇岩怪石の数々をご覧いただくことにします。 それでは「アメリカ感動の旅 Season5」の「中編」へどうぞ。 |
今回はここを含めて5箇所の国立公園/国定公園を巡るため共通パスを購入しました。このパスは80ドルなので3箇所以上回ればモトがとれることになります。 また、このパスで運転手と同乗者全員が入園でき、かつ有効期間が1年間(1年以内に再訪することは多分ないが…)という優れものです。 |
園内にはコロラド川の支流が2本貫流していて、それらの渓谷に世界最大級のナチュラルブリッジが3本懸かっています。 |
これは、ナチュラルブリッジ国定公園を切り上げて、次の目的地の「アーチーズ国立公園」(Arches National Park)へ向かう途中で見かけたアーチです。 |
一応、Wilson Archという名前はついていますが、ガイドブックに載っているわけでもなく、こういうのが道路脇に突然、そして普通に、現れるあたりがさすがDUDです(笑)。 |
ここからは「今回の旅行の目玉のひとつ」ともいうべきアーチーズ国立公園になります。 ここはアメリカの国立公園のなかでも間違いなく屈指の辺鄙な場所にあると思います。 といっても、とくに人里離れた山奥にあるわけではなく、近く(公園入口から車で約10分)にはモアブ(Moab)という町があり、公園散策や野外活動の拠点として何でも揃う便利な町で、管理人も今回ここでとても快適に2連泊しました。 ではなぜ辺鄙かというと、冒頭の地図をご覧いただいて分かるように、有名地が集中しているグランドサークルのなかで、ここだけがポツンと離れた場所にあり、距離的にも交通手段的にも日程的にも、なかなか立ち寄りにくい場所にあるからです。 そのため、前回(2014/10)の周遊でも割愛せざるをえなかったし、ツアーなどで「アメリカ西部大周遊」とうたっていても、ここまで立ち寄るツアーはとても少ないです。 というか、たいていのツアーはグランドキャニオン、モニュメントバレー、アンテロープキャニオンなどアリゾナ州の有名どころをサラッとかすめるだけで、管理人の大好きなユタ州に立ち入るのはあまり見かけません。 今回、現地でも日本からの旅行者をたまに見かけましたが、皆さん個人旅行、家族旅行、グループ旅行といった方々ばかりでした。 |
…と、思わず脱線しそうになりましたが、アーチーズ国立公園に戻ります。 |
モアブからUS-191を北上してコロラド川を渡り、ヘアピンカーブを何度か繰り返しながら登ったところが公園出入口です。 ゲートはここ一箇所だけで、ここから園内道路が北へ向かって通じていて、その途中にある展望ポイントに立ち寄ったり、トレッキングを楽しんだりして観光します。 |
先ずは園内道路の終端にある「ランドスケープアーチ」(Landscape Arch)を目指します。 園内は309平方キロ(東京23区の約半分)の広さがあるため、園内道路(約30km)を走りきるだけで40分ほどかかります。
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まだ早朝だったので難なく駐車できましたが、ハイシーズンや週末は混雑するため、(とくに人気のポイントは)朝イチで訪問することをお奨めします。 |
駐車場から30分ほど歩きます。 |
ランドスケープアーチは長さが88.4mあり、世界のアーチ/ブリッジのなかで最長です。 |
長さもさることながら、とくに異彩を放っているのはその「細さ」で、最も細い部分は1.8mしかありません。 |
アーチーズ国立公園のシンボルともいえるアーチで、TVや写真で何度も目にしたことがありますが、実際にこれだけのアーチが天空を横切って、頭上にのしかかってくるのを眼前にすると、その存在に畏れすら感じます。 |
実際、1991(平成3)年と1995(平成7)年にはその一部が剥落し、以後、アーチ直下のトレールは閉鎖されています。 |
(C) National Park Service |
今日は「デッドホースポイント州立公園」(Dead Horse Point State Park)と「キャニオンランズ国立公園」(Canyonlands National Park)を巡ります。 両公園とも、コロラド川やその支流のグリーンリバーが刻んだ大渓谷を眺めるところで、(規模は違いますが)グランドキャニオンと似た観光スタイルになります。 昨日訪れたアーチーズ国立公園に近接(右地図ご参照)していながら、こちらはコロラド川由来の地形のため、景観の様相は大きく異なります。 |