(2019.8.4)

 

  

北海道遠征も今日から後半戦に突入です。

更に雲が厚くなって旅行期間中で最悪のお天気になりましたが、主題の利尻島/礼文島を無事撮り納めることができたので、もはや悪天もさほど気になりません(笑)。

香深港8:45発の稚内行き始発便で礼文島を後にします。
桃岩ユースホステルから大勢の人が見送りに来ています。
桃岩ユースホステルの盛大な送迎は香深港の名物で、スタッフのみならず宿泊客の方も来ているようで、一昨日、桃岩展望台コースをトレッキング中に知り合ったイスラエルからのバックパッカーの姿を見かけました。
「行ってらっしゃ〜い」、「また来るぞ〜」と声を限りに呼び交わし、フェリーが出からもずっと手を振っていました。聞きしにまさる熱いユースホステルです!
ウミネコも船上まで見送りに来てくれました。

ちなみに、くちばしの先が赤黒模様になっているのがウミネコで、黄色い単色がカモメだそうです。

3日振りに稚内へ戻り、取りあえず宗谷岬へ向かいました。
ガイドブックなどには「お天気が良い日にはサハリンが見える」とありますが、管理人が訪れるときはいつも厚い雲と強い海風ばかりで、あまり相性の良い場所ではありません(笑)。
宗谷岬のすぐ後ろの丘に「宗谷岬公園」というのがあって、宗谷岬にまつわるモニュメント類(↑)や、旧海軍の望楼(↓)などをみることができます。

宗谷岬灯台です。

さらにその奥には広大な「宗谷丘陵」が広がっていて、撮りたいものがあったのですが、霧が濃くなるばかりなので、今日のところは下見(ロケハン)と割り切って、ザッと周回だけしてみましたが、こんなお天気の日に通りかかる車は滅多にないのか、エゾシカの家族(?)がこちらを警戒していました。

宗谷丘陵では大規模な酪農が行われていて、牧舎ひとつとってみても巨大な工場と見紛う大きさで、本州のそれとは桁違いのスケールに驚きます。
霧の中で草を食む牛の群れは意外と絵になりそうですが、牧場では家畜の防疫にとても神経質になっているので、敷地内への立ち入りはもとより、放牧場へもみだりに近寄らないよう気をつける必要があります。(この写真は道路から撮っています)

ということで、今日はこれにて「早仕舞い」(休息日)とし(笑)、稚内へ戻って5日目の日程を終了しました。


6日目になりました。一昨日、昨日と悪天をもたらした低気圧は東へ抜けて、お天気が回復してきたので、あらためて「宗谷丘陵」へ向かいました。ここは宗谷海峡を望む展望駐車場で、(例によって)「お天気の良い日にはサハリンが見える」そうですが、(海は見えますが)サハリンは見えませんでした。

宗谷丘陵は全体としてはなだらかな丘陵地帯ですが、約1万年前まで続いた氷河期に地表の凍結と融解が繰り返された結果、低い丘と浅い谷が波のように繰り返すモコモコした独特の地形<周氷河地形>が形成されました。

ここに広大な牧場が展開していることは先にご覧いただいたとおりですが、卓越した海風を利用して大規模な風力発電も行われています。
ユーラスエナジー社(豊田通商と東電が出資)が1,000kwの風車を57基も運転していて、「宗谷岬ウインドファーム」と呼ばれています。
2005(平成17)年12月から運転を開始していて、稚内市の年間消費電力の約6割に相当する電力を発電し、全量を北海道電力に売電しています。
パノラマ
ここではどうしても青空をバックに撮りたかったので2時間近く粘ってみたものの、なぜか宗谷丘陵だけなかなか雲が切れず、遂にしびれを切らして切り上げましたが、案の定、稚内まで下りてくると青空が広がって日差しがありました(悔)。


ここをクリックすると大きなパノラマ写真が開くのでご覧くださいpanorama


このあと、一路、小樽へ向けて日本海オロロンライン南下しましたが、ほとんど前編でご紹介したので割愛します。


いよいよ北海道での最終日です。

今日は朝から抜けるような快晴ですが、復路のフェリーが小樽港を17:00に出航するため、あまり遠くへは行けないので小樽の近郊を観光しました。

皆さんご存知の所かと思いますので、適宜、読み飛ばされてください。
ニッカウヰスキーの余市工場です。
NHKの朝ドラ「マッサン」のモデル、竹鶴政孝とその妻リタの舞台になったところです。
 
銅製の大きな蒸留釜(ポットスチル)を初めて目にしましたが、近くで見るとなかなかの迫力です。
石炭の直火で焚くのが「余市流」とのことで、香り高く力強いモルトを生み出すことができるそうです。

アジア方面からの観光客もたくさん来られていました。




次に、小樽へ戻って、高島岬にある「鰊(にしん)御殿」と「小樽市総合博物館」を見学しました。

鰊御殿は鰊漁が全盛の頃に建てられた豪壮な建物を移築復元したもので、北海道の有形文化財に指定されています。
細部まで凝った造作に往時の繁栄振りを偲ぶことができます。
 
岬の先端からは積丹へ続く紺碧の海を一望することでき、胸が空くような景観を独り占めする気分です。
ちなみに、この岬は東を向いていて、石狩湾を挟んだ対岸の山々は初日に訪れた増毛の方向になります。
日和山燈台です。

最後に、手宮にある小樽市総合博物館(旧、小樽交通記念館)を見学しました。
ここは旧手宮線の終点で、北海道での鉄道発祥の地ともいうべき場所ですが、鉄道のことは書き始めるとキリがないし(笑)、その辺りのことは2016/7/31付の「初夏の北海道」(後編)で詳しく書いたので、ここでは割愛します。
北海道の鉄道の歴史を物語る貴重な車両や建物が保存展示されていますが、北海道の厳しい気候に加えて、海に近いため塩害の影響もあるかと思いますが、屋外に展示されている車両の傷みが目について残念でした。


…ということで、すべての日程を終えて小樽港から帰途につきます。

18:50頃、積丹半島の沖合で北航便の僚船「はまなす」(16,810トン)と長い汽笛を交わしながら反航します。
この船は昨夜の23:50に舞鶴港を出て、20:45に小樽港へ到着します。

19:20、日本海に夕日が沈み、「初夏の北海道 Season2」もこれにて終了です。


最後まで長々ご覧いただき有り難うございました。m(_ _)m


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