(2009.5.3)


   

 

   

甲府盆地は笛吹川と釜無川が作り出した複合扇状地で、2つの河川は甲府盆地の南端を扼する鰍沢(かじかざわ)で合流し、富士川となって駿河湾に注いでいます。

この笛吹川の流域を中心とした県東部は「峡東(きょうとう)地域」と呼ばれ、良好な水はけと日当たりの良い緩斜面といった扇状地の特性を活かして、古くから桃やブドウなどの果樹栽培が盛んに行われてきました。

今回は、この峡東地域の桜と桃を取材してきたのでご覧いただきます。
このしだれ桜は旧東山梨郡牧丘町(現、山梨市)というところあり、地元・牧丘町の天然記念物に指定されていて、説明によると樹齢は150〜200年、樹高は8.7メートル、とあります

小高い丘の斜面に絶妙な角度で傾いでいて、遠くには御坂山地の向こうに富士山が頭をのぞかせています。

この辺りは甲州市塩山(えんざん)というところで、一帯が桃畑になっていて、この時期はさながら桃源郷といった趣です。バックは残雪をいただく南アルプスの山々です。

甲州市というのは、かつての塩山市と、隣接する(東山梨郡)勝沼町と大和町が合併して、2005(平成17)年に発足した市です。

ちなみに、山梨県は「平成の町村合併」を徹底した県のひとつで、峡東地域でもかつては2市・2郡・8町・5村あったのが、最終的には3市(山梨市・甲州市・笛吹市)に集約されました。

ここはJR中央線の甲斐大和という駅で、笹子トンネル(4,600メートル)を抜けたところにあります。駅は長大トンネルに挟まれた狭い谷間にあり、駅の両側から覆い被さるように枝を伸ばした桜が見事です。ちょうど桜吹雪が舞う中を、特急あずさ号が駆け抜けていきました(下の写真)。

ちなみに、この駅はかつては初鹿野(はじかの)という風雅な名前でしたが、町村合併を先取りして(?)、1993(平成5)年にあまり風雅でない(失礼)現在の名前になりました。

ここは県の最東部にあたる甲州市(旧、東山梨郡)大和町というところにある景徳院という曹洞宗の寺院で、織田信長の軍勢と戦ってこの地で果てた武田勝頼を弔うため、徳川家康が1588(天正16)年に建立したのものです。「武田家終焉の地」といわれていて、N's TOWNでは2004(平成16)年の秋に大菩薩峠からの帰途に立ち寄っています。