(2024.10.13)
「暑さ寒さも彼岸まで」の諺どおり、ここへきて季節が一気に進み、紅葉前線の南下が待たれるところですが、今回は日本一早い紅葉といわれる大雪山(旭岳)から道東方面を取材してきたので、その様子をご覧いただきます。 北海道行きは飛行機の手配が伴うため一ヶ月以上前から準備する必要があり、それでなくても短い北海道の秋と、この時期特有の不安定なお天気に翻弄されながら、さながらギャンブルの趣があります(笑)。 加えて、今年は猛暑の影響から北海道の紅葉も見頃が遅れるものと(勝手に)予想してスケジューリングしたこともあり、いつにもまして不安ななかでの出発となりました。 |
…ということで出だしから愚痴と言い訳になってしまいましたが、先ずはAIR DOの始発便(羽田発7:00)で旭川へ向かいます。 | |
羽田を発つときは雨模様でしたが北海道に差し掛かる頃には雲が切れてきました。 | |
美瑛の丘を眼下に見ながら、南側から旭川空港へ進入します。 |
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さっそく今回のメインテーマである大雪山の紅葉を見るべくロープウェイで旭岳へ上ります。 | |
山麓の旭岳温泉(標高1,000m)から姿見平という五合目(同1,600m)まで約10分で結んでいます。 | |
旭岳のある表大雪の紅葉はロープウェイの車窓から眺める部分がハイライトで、逆に姿見平の一帯は既に森林限界を超えているため、紅葉といってもモミジやカエデのような高木はなく、ナナカマドや草紅葉などの低木類が、ハイマツの緑に彩りを添える程度です。 | |
姿見平はロープウェイの駅を起点に一周1時間ほどの遊歩道が整備されていて、ここを周回する限りは特別な装備がなくても気軽に散策できます。 | |
チングルマの綿毛です。 | |
シラタマノキです。 |
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赤い実はナナカマドです。 | |
こうした「池」が随所にあって景観のアクセントになっています。それぞれに名前がついていますが、いずれもかつての噴火口の跡に水が溜まってできたものです。 | |
どっしりとした山容は大雪山系の盟主に相応しい風格を湛えています。 | |
ロープウェイの下りでは動画(約3分)も収録したのでぜひご笑覧ください! なお、前の人の頭越しに手持ちで撮ったので(笑)手ブレや窓ガラスへの映り込みはご容赦願います。 |
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2日目は予報通り朝から雨模様のお天気になったので、予定していた美瑛の“must-see”を何箇所か駆け足で巡りました。各所の詳しい説明は割愛してそれぞれにリンクを貼っておきますのでご興味のある方はご参照ください。 |
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「青い池」は美瑛の南東、白金地区にあります。 | |
青い池も久しぶりに再訪しましたが、周辺がすっかりキレイに整備されて見ちがえるようになっていました。 |
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「ジェットコースターの道」は約4.5kmの農免道路がアップダウンを繰り返しながら一直線に伸びる北海道らしい景観です。 | |
ちなみに、ジェットコースターの道の場所は美瑛町ではなくお隣の富良野町になります。 | |
「四季彩の丘」はハイシーズンを過ぎていましたが、まだまだ十分に見応えがありました。 | |
「ケンとメリーの木」です。ポプラの老木です。 | |
「セブンスターの木」です。カシワの木です。 |
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3日目は午前中の貴重な晴れ間を利用して網走の近くにある「能取湖(のとろこ)」へ向かいました。 | |
ここは厚岸草(アッケシソウ)の群生地として有名です。 | |
厚岸草というのは塩分を多く含む湿地を好む植物で、秋になると茎が赤く色づいて、節くれだった独特の姿と相俟って、サンゴのように見えることから「サンゴ草」と呼ばれています。 | |
能取湖はオホーツク海とつながる海水の湖のため干満があります。サンゴ草も満潮時には水面下に隠れてしまうので、見頃(9月中旬〜下旬)だけでなく、当日の潮汐もチェックしておく必要があります。 | |
近くの「大曲湖畔園地」で遅咲きのヒマワリが観られるというので立ち寄りました。 | |
ここは網走刑務所の旧農場跡地を整備した約80ヘクタールの観光農園で、そのうちの18haでヒマワリの二期作が行われていますが、ちょっと見頃を過ぎたようで元気がなかったです。 | |
本州にもヒマワリ畑は各地にありますが、多くても数十万本程度なのに対し、こちらは約260万本(!)が植栽されていて、視界を埋め尽くして広がる黄色い世界に圧倒されます。さすが北海道は規模が違います。 | |
下のボタンをクリックすると大きなパノラマ写真が開くのでご覧下さい。 ↓↓ |
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午後からは予報通り曇ってきたので網走を切り上げてゴールの釧路へ向かいました。 |
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屈斜路湖を見下ろす藻琴山展望台に立ち寄りました。 | |
次に摩周湖へ回りました。 | |
先ず「摩周湖第三展望台」です。観光施設としては「第一展望台」の方が充実していますが、こちらの方が湖の全体を俯瞰でき、反対側には阿寒岳や阿寒湖も遠望(↓下の写真↓)できるので、写真的にはお薦めかなと思います。ただし、冬季(11月上旬〜4月中旬)は閉鎖されます。 | |
こちらは第三展望台から3.5kmほど南下したところにある「第一展望台」です。久しぶりに訪れたらおしゃれな展望デッキができていて、デッキの階下が物販や飲食のお店になっていました。ちなみに、第一展望台は冬季もアクセス可です。 | |
最後に釧路湿原に立ち寄りました。 |
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釧路湿原はかつてJR釧網線の観光列車で車窓から眺めた(2013/3/10号ご参照)ことがありますが、実際に訪れたのは今回が初めてです。 | |
広大な釧路湿原はいろんな意味でとても奥が深く、ちょっと立ち寄ったくらいで「訪れた」というのもおこがましい限りで、湿原だけをテーマに一回の撮影行を企画するくらいの価値があります。 | |
とはいえ、今回は時間もないことから、いつかある展望台のうち「細岡展望台」に立ち寄りました。 | |
ここは湿原の東縁にあたり、数ある展望台の中でもっとも眺望が利くところで、蛇行する釧路川を眼下に前方には雌阿寒岳や雄阿寒岳を望む大観望を楽しむことができますが、 | |
逆にあまりにも「広大無辺」なため、何処からどう撮ればいいのか戸惑うばかりで、やはりもっと湿原に分け入って間近に接しないと見たことにはならないなと痛感しました。 | |
以上で3日間の日程を終了して釧路空港から帰途につきました。 |
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今回も気まぐれなお天気に振り回されました。 全日程を通して晴れるに越したことはありませんが、 贅沢ばかり言っておれないので、 「晴れるべきところ(今回でいえば旭岳と網走)で晴れれば成功」(←いつも同じことを書いていますが(笑)) と思うことにしています。 …ということで、相も変わらず詰め込みすぎの駆け足旅行でしたが、 まずまず満足のいく撮影行となりました。 |
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最後まで長々ご覧いただき有り難うございました。 |