(2018.3.11)

 

 

  

今回は前号に引き続き、「冬の富士景色 (駿河編)」ということで、静岡県側から眺めた富士山の様子をご覧いただくことにします。
先ずは三島市にある「三島スカイウォーク」です。
ここは、2015(平成27)年に開業した全長400mの吊橋で、国道1号を箱根から三島へ下ってくる途中にあります。
富士山から駿河湾まで一望できる絶景の地にあります。

「観光吊橋」ですから渡った先がどこかに通じているというわけではなく、来た道を元のところへ戻るだけです。
この種の施設は他所でも見かけますが、リピーターの確保が課題かな…、と余計な心配をしてしまいました(笑)。
三島をあとに伊豆半島へ回ります。
このあたりは沼津の対岸にあたるところです。
駿河湾の沿岸には「砂嘴」(さし)という地形を多く見ることができます。
沿岸流によって運ばれた砂礫が鳥の嘴(くちばし)状に堆積した地形で、大規模なものでは三保の松原(世界文化遺産)のように全長約5kmに及ぶものもあります。
伊豆半島の西海岸にも駿河湾を北上する沿岸流によって形成された砂嘴がいくつかあって、いちばん北側にあるのがこの「大瀬崎」です。


ここは(↑)大瀬崎の南にある「井田」(いた)という集落を見下ろす高台です。写真では分かりにくいですが、ここもかつては砂嘴に囲まれた入り江だったのが、砂嘴がさらに(画面の左から右へ)成長して対岸とつながり、内海の部分が外海と隔絶され、陸地化して田畑になったところです。


ここ(↑)は井田からさらに南下したところにある戸田(へた)港です。
ここにも「御浜岬」(みはまみさき)という見事な砂嘴を見ることができます。
砂嘴の外海側は海流が運んだ玉石が折り重なる荒々しい礫浜で、北西の季節風が吹き荒れて白波が立っていましたが、
内海側は砂浜が広がる静かな入り江で、天然の良港になっています。
御浜岬の突端近くには諸口神社という古社が鎮座しています。
海の安全や豊穣(安航と大漁)を祈願する社で、朱い鳥居が海に向かって建っています。
帰途、西伊豆スカイラインから見下ろした戸田の町と御浜岬です。この場所の海抜は880mですが、海岸線から「正味」上がってくるので、結構な高度感があります。
基本的には冬でも温暖な伊豆半島ですが、尾根道や峠道には雪が残っていました。


今回は西伊豆のごく一部(北端)をかすめただけですが、南下すればするほど雄大な景勝地がたくさんあるので、次の機会にはこうしたスポットもご覧いただくことにしたいと思います。