(2017.11.5)

 

 

  

乗鞍岳という名前を知らない方はおられないと思いますが、その正確な場所となると怪しいことが多いので、先ずは全体の位置関係をザッとおさらいしておきたいと思います。

北アルプスの南半分には槍ヶ岳から連なる3千メートル級の峰々が長野県と岐阜県を画していますが、その最南端にあって殿(しんがり)をつとめるのが乗鞍岳(3,026m)です。

乗鞍岳というのは最高峰の剣ヶ峰を主峰とする31峰の総称で、標高もさることながらひときわ雄大な山塊で辺りを払っています。

乗鞍岳と焼岳(2,455m)の鞍部にあるのが安房峠で、国道158号(福井から高山を経て松本に至るルート)がここを安房トンネル(4,370m)で抜けています。

また、乗鞍岳の南麓を巻くように越えているのが有名な野麦峠で、飛騨と信濃を結ぶ古道としてかつては往来が盛んでした。

乗鞍観光は麓の「乗鞍高原」と山頂の「畳平周辺」に分かれますが、今回は乗鞍高原と畳平を結ぶ「乗鞍エコーライン」の沿道で、山腹に広がる紅葉を取材してきたのでご覧いただきます。

乗鞍岳は畳平まで車で上がれますが、2003(平成15)年からマイカー規制が行われているので、まずは乗鞍高原でシャトルバスに乗り換えます。

それでは出発することにします。


この日は好天のうえに紅葉が見頃を迎えていたため早朝から結構な人出でした。

このあたりは冬にはスキー客で賑わうところです。
乗鞍高原から約50分で畳平へ到着します。 
畳平は山頂近くの火口原で標高が2,702mあり、バスで到達できる日本の最高地点といわれています。

 
 
ちなみに、第2位は立山有料道路の室堂(2,450m)、第3位は富士山スカイラインの五合目(2,380m)で、3路線ともマイカーでの乗り入れが規制されています。

ここから中腹の「位ヶ原(くらいがはら)山荘」(2,350m)というところまで、ドライブウェイを歩いて下りながら写真を撮っていくという趣向ですが、舗装されたバス道を下るだけなので、前号の木曽駒ヶ岳と較べると「天国と地獄」(笑)です。
マイカー規制が行われているため、1時間に1便のシャトルバスと若干の貸し切り車両以外は往来しないので、ドライブウェイとはいいながら歩行者天国のような状況です。

画面中央の赤い屋根が位ヶ原山荘です。あそこまで降りていきます。
ここをクリックすると大きなパノラマ写真が開くので是非ご覧ください
「大雪渓」では秋スキー(?)を楽しむ人もいました。
マイカーの規制後は自転車の通行が許可されていて、「ヒルクライムの聖地」といわれているそうです。
画面中央の赤い屋根がゴールの位ヶ原山荘です。
画面奥の鞍部のあたりが乗鞍エコーラインの最高地点(2,716m)です。
ここからシャトルバスで乗鞍高原へ戻ります。


次号では軽井沢の紅葉をご覧いただきます。
次回の更新は11月26日の予定です。