(2012.2.12)


   

 

 

  

茨城県の北部、阿武隈高地と八溝山地に挟まれた谷筋に沿って清流久慈川を遡ったところ、福島県との県境に近い久慈郡大子(だいご)町に「袋田の滝」があります。このあたりの山々は、標高が4〜500メートル程度で、山容もさほど険しくないのですが、袋田の滝の周辺だけは、地質の関係からか、峨々とした岩壁が連なっています。

袋田の滝は、華厳の滝、那智の滝ともに、日本三大名瀑のひとつに数えられ、四季折々の趣がありますが、冬場には氷瀑を見ることができます。今年は例年にない厳冬のため、年明けから氷結が進み、ついに今月(2月)の初めに全面結氷しました。今回はその様子を取材してきたのでご覧いただきます。


報道によれば、全面結氷は6年ぶりとかで、この日も大変な人出で賑わっていました。昨春の大震災と原発事故の風評被害により、当地も来訪客が激減していたことから、観光復興へ掛ける地元の期待と意気込みは大なるものがあるようです

「6年ぶりの全面結氷」ということですが、N's TOWNでは6年前の氷瀑も取材・掲載(2006-1-22号)していました。「ついにマンネリもここに極まった!」(笑)というところですが、今回は当時には無かった「第2観瀑台」からの写真も織り交ぜていますので、どうかご容赦のうえご笑覧を願い上げます。

袋田の滝は落差120m・幅73mあり、4段になって岩壁を流れ落ちています。従来の第1観瀑台は3段目の正面にあって、2段目までは仰ぎ見ることができますが、最上段の1段目は見ることができません。

2008(平成20)年9月に完成した第2観瀑台(下の写真)は、第1観瀑台からエレベーターで44メートル上ったところにあるので、最上段を含めた滝の全景を眺めることができます。ちなみに、第2観瀑台の建設費(約5億2千万円)は、すべて利用料(大人300円)で賄ったというからエライものです。
クライマーが氷壁の登攀訓練をしていました。

帰途、常磐道・那珂インターの近くにある古徳沼に立ち寄りました。ここは、周囲1キロ弱の農業用溜め池ですが、関東地方有数の白鳥渡来地で、毎年150羽近くが飛来し越冬しています。