(2006.1.22)


   

 

    

 

「日本三名瀑」なるものがあるのをご存知でしょうか?那智の滝(和歌山県)、華厳の滝(栃木県)、袋田(ふくろだ)の滝(茨城県)、がそれです。那智の滝は世界遺産の一角(?)として、華厳の滝は日光の代名詞として、知らない人はいないくらい有名なのに対し、袋田の滝はそれらに較べると随分と後塵を拝しているような気がしますが、今回はその袋田の滝をご覧いただきます。

水戸から国道118号を久慈川に沿って小一時間ほど遡ったところに袋田の滝があります。ここは福島県との県境に近い県北の谷あいで、「平成の町村合併」の波もここまでは押し寄せていないようで、いまも「久慈郡大子(だいご)町袋田」のままです。

大子町は鄙びた山村の面影を残し、とても趣のある落ち着いたところですが、残念ながら滝の他にはこれといった観光資源がなく、水戸のついでに往復2時間を掛けて立ち寄るには効率が悪いため、ツアー客の入り込みもいまいち、といったように見受けられます。
滝は久慈川の支流の滝川に懸かっていて落差120m・幅73mあり、4段になって岩壁を流れ落ちるところから別名「四度の滝」と呼ばれています。四季折々の景観が楽しめますが、なかでも冬場は結氷して氷瀑となることで有名です。

とくに今年は年末から厳しい寒波が相次いで襲来したため早くから凍結がすすみ、昨年のうちに氷瀑が形成されたそうです。地元の方の話によれば、年末のうちに結氷したのは1998年(平成10年)以来とかで、管理人も何度か訪れていますが、今回のように滝の全面が厚い氷に覆われたのを見るのは初めてです。

取材した日も最低気温がマイナス9.4度で、日陰の谷あいは日中でも氷点下の寒風が吹き抜け、カメラを持つ手も指先がしびれるくらいの寒気でした。

土産物店が軒を並べる滝口から、岩壁に穿たれた有料トンネル(300円)を200メートルほど進むと観瀑台(上の写真左手)に出ます。今回の写真は、下の写真を除いて、すべてこの観瀑台から撮影したものです。観瀑台は滝を正面に仰ぐ絶好の位置にあるのですが、観瀑台の他には撮影できるポイントがほとんどなく、変化に欠けるところは否めません。また、深い谷間にあるため、(とくに冬場は)一日中日陰になってしまうのもツライところです。

それでなくても寒い時季に、寒々しい写真ばかりで失礼しました。粗茶ですが暖まってお帰りください。(笑)