(2010.9.19)


   

 

 

ひと口に日光といっても、東照宮のある日光市街、いろは坂を登り切った中禅寺湖畔、竜頭の滝から先の戦場ヶ原や湯ノ湖といったいわゆる奥日光、と大きく3つの地域に分けることができます。

標高も日光市街が約600メートルに対して、奥日光は1,400〜1,500メートルあり、盛夏でも日中の気温が25℃を超えることはないため、毎年この時季には期せずして足を運んでいます。

とくに、猛暑日が続く今年は平地との気温差が10℃以上あるため、さながら高原の別天地といった趣があり、折りから夏休みということもあって、たくさんの家族連れで賑わっていました。

今までは、戦場ヶ原、小田代ヶ原、西ノ湖といった奥日光の西側を中心に散策してきましたが、今回は湯元温泉を起点に、刈込湖、切込湖、涸沼を経て光徳牧場に至る、奥日光の東側を取材しました。(上図ご参照)

このルートは「湯本光徳線歩道」といって、ガイドブックによれば、全行程7.7キロ、所要3時間強(休憩を含まず)とありますが、管理人は写真を撮ったり食事をしたりで、5時間弱かかりました。

これでも「初級者向け」とのことですが、全体に登山道が荒れていることもあって、管理人のように普段から運動不足の者には、恥ずかしながらアゴが出ます

ということで、湯ノ湖の湖畔からスタートします。湯ノ湖は周囲3キロほどの湖で、早朝から熱心な釣り人で賑わっています。


ここは温泉街のはずれの湯ノ平湿原にある「源泉」です。各源泉には小屋根が掛けられていて、湯元温泉の旅館へ配湯されています。
湯元温泉から1時間ほど歩くと刈込湖に着きます。三岳(1,945メートル)の溶岩流が沢を堰き止めて作った周囲1キロほどの小さな湖で、このコースのハイライトともいうべきポイントです。
この日は訪れる人も少なく、静かな湖畔で写真を撮ったり食事をしたりしながら、湖水を渡る爽やかな風に吹かれて、小一時間ほど至福の時を過ごしました。

刈込湖の隣に切込湖という紛らわしい名前の湖が水路で繋がっています。湖畔へ下りる径がないため湖水に寄ることはできませんが、木の間越しに見下ろすコバルト色の湖面が何とも神秘的でした。

分け入っても分け入っても青い山  山頭火

ここは涸沼といって、水が干上がったようなすり鉢状の不思議な景観で、昨秋、山王峠からの往復で、立ち寄ったところです。(「彩りの奥日光」 2009.11.1号所収)

←ここをクリックすると大きなパノラマ写真が見られます。
山王峠から荒れた急坂(下記)を40分ほど下って終点の光徳牧場に到着です。源泉かけ流しの硫黄泉(乳白色の濁り湯)につかってから帰途につきました。温泉地の取材には、こういう「余祿」があるので堪えられません。(笑)

(おすすめ)
光徳牧場からスタートすると、山王峠に向けて段差の大きい木段を、延々と登っていく格好になり、しかも登山道が酷く荒れているため、ウンザリすることになるので、(今回の管理人のように)湯元温泉を起点にして、山王峠から光徳牧場へ向けて下ってくる順路を強くお奨めします。← もし行かれる方がおられましたらですが……。