(2010.8.29)


   

 

 

水原(スウォン)はソウルの南方40キロにある都市で、李氏朝鮮時代の1796年に城塞都市・華城(ファソン)が建設され、その遺構が1997年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。

八達門といって城郭の南側を扼する石積みの宏壮な門で、「威風堂々」という言葉がビッタリの構えです。

全長5キロを超える城壁や、随所にある城門や楼閣が往時の様子を今に伝えています。

華城を貫く水原川に架かる水門と高楼で、水煙に懸かる虹が見られることから、華虹門という名前がついています。

華城の中央に位置する華城行宮です。行宮(ヘングン)というのは、天皇が行幸先で一時滞在するための施設で、日本語でも行宮と書いて「あんぐう」と読みます。

華城築城200周年を記念して1996年から復元工事が行われ、日本でも人気の高かった韓流ドラマ「大長今」(日本名:宮廷女官チャングムの誓い)のロケにも使われました。

宮殿の軒(のき)を下から見ると、色鮮やかな模様で彩られています。これは、陰陽五行思想に由来する五彩(青・赤・白・黄・黒)で構成されており、韓国では幸せを呼ぶ色の組み合わせとされています。

ソウルから水原へは鉄道が便利です。ソウル〜水原というのは、ソウルと釜山を結んでいる京釜線の「近郊区間」にあたり、ソウル市内の地下鉄(Seoul Metro)が乗り入れている電車線(各停)と、韓国鉄道公社(KORAIL)が運行している列車線(特急/急行)が並走しています。ちょうど、常磐線の取手までの「近郊区間」は、東京メトロ千代田線(各停)とJR常磐線(特急/快速)が複々線で並走しているのと同じです。(←関西の方には分かりにくいかも知れませんが……)
水原からソウルまで、40キロ・40分ほど乗車して、運賃は2,500ウォン(約200円)で、上野〜取手間がちょうど40キロで620円するのと較べると半額以下(!)の安さです。

管理人も、往路はSeoul Metroから直通の各停を、復路はKORAILのムグンファ号という急行(?)を利用しました。このムグンファ号は電気機関車が客車を牽引する「列車」で、ふだん「電車」に乗り慣れた私たちにはちょっと新鮮です。韓国の鉄道は広軌で車体が大きいのと、低いホームからデッキのステップを上がって乗車するスタイルのため、こうしてホームから見上げると結構迫力があります。

車内は新幹線並みのサイズなのに、座席配置が2列+2列なので、通路が広くてとてもゆったりとしています。

ソウル駅はホームの上にコンコースがある構造で、広大な構内を一望することができます。


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