(2009.9.20)


   

 

   

今回は浜離宮恩賜庭園からお台場地区にかけて、季節のキバナコスモスを主題に初秋の水辺を散策してきましたので、2回に分けてご覧いただきます。

今号では前編として、浜離宮の様子をご覧いただきます。浜離宮は江戸時代に築庭された代表的な大名庭園で、四季折々の花木が園内を彩り、かつてN's TOWNでも桜の季節に取材したことがあります(2004-4-25号 「浜離宮庭園」ご参照)。



正面入口
その浜離宮の一角にお花畑があって、この時季は10万本のキバナコスモス(黄花秋桜)が見頃を迎えています。一般的にコスモスと言うと桃色や白の花をイメージしますが、キバナコスモスは、名前の通り、オレンジ色(品種名:サンセット)や黄色(同:サニーイエロー)の花をつけます。

の場所は春には一面の菜の花畑になって、汐留地区の高層ビル街を背景に、都心とは思えない不思議な景観を楽しむことができます。ちなみに、背後正面の大きなビルは電通の本社です。

園内に広がる泉水は「潮入の池」といって、海水が引き込まれていて、潮の干満によってその表情を変える、海辺の庭園ならではの仕掛けが凝らされています。

上の写真が東京湾につながっている水門で、ここから実際に海水が出入りしています。ちょうどこのときは干潮にあたり、園外に向かって海水が流出していました。石垣の裾のあたりに白く見えるのは付着した貝類です。
園内には黒松や赤松が随所に見られ、重厚な雰囲気を醸し出していますが、なかでも横綱格は正面入口近くにある巨大な黒松(下の写真)で、6代将軍家宣により庭園大改修の際に植えられたもので、樹齢300年という「高齢」にもかかわらず、太い樹幹を低く這わせてひときわ辺りを払っています。


次回は対岸のお台場地区に咲くキバナコスモスをご覧いただきます。