(2004.-4.-4)


   

 春ウララ

 

今回は春の里山を彩る花木ということで、予てから気になっていた、関宿(千葉)の大コブシと、みかも山(佐野・栃木)のカタクリを取材してきましたのでご覧いただきます。



例によって、写真をクリックすると大きい画像が見られます。

コブシといえば千昌夫の「北国の春」を連想する方が多いのではないでしょうか。そうです、「♪白樺 青空 南風 コブシ咲く…」のコブシです。北国に春にはなくてはならない花のようですが、管理人の地元にも有名なコブシの大木があるので行ってきました。
千葉県の北西部は地図で見ると、茨城県と埼玉県の間に無理やり割って入ったような、長細い一角がありますが、ここは利根川と江戸川に挟まれた場所で、その先端に関宿という町があります。かつては河川水運の要衝として栄えた所で、鈴木貫太郎海軍大将の生地としても知られています。 
江戸川が利根川から分派して東京湾へ向かって流れ出す流頭部に中州のような場所があって、公園として整備されています。ここに関東最大(?)のコブシの大木があって毎年開花時になるとたくさんの人が訪れます。「♪この〜木なんの木 気になる木」のCMソングを思い出す見事な樹型です。
←1月はまだこんな感じでした。

(これは拡大写真がありません)
近くにはかつての関宿城を再現した県立関宿城博物館があり、利根川や江戸川の流域を中心に歴史・産業・生活といったものを展示・紹介しています。

(これは拡大写真がありません)
栃木県佐野市のことは「ラーメンとアジサイの町」(2003年7月6日号)で紹介しましたが、その佐野市の国道50号線と東北自動車道に挟まれた一角に「みかも山」という200メートルくらいの丘陵があります。漢字では「三毳山」という難しい字を当てるだけあって万葉集にも詠まれた由緒ある地名とか。
現在は一帯が自然公園として整備されていて、園内に張り巡らされた遊歩道を辿りながら、四季折々の表情を見せる雑木林を散策することができます。そして、その中腹あたりにカタクリの群生地があって、200万株ともいわれる大群落が斜面を埋め尽くして壮観です。
カタクリはユリ科の多年草で開豁な雑木林を好み、春のお彼岸が過ぎて日照時間が長くなるのを待ちかねたように一斉に開花します。紅紫の上品な色と小首を傾げたように咲く可憐な姿から「早春の妖精」と呼ばれるのも頷けます。
明るい場所を好む一方で、夏の暑さに弱いので、北の斜面に多く見られ、みかも山でも北東斜面に群生しているため、この時期は午後3時を過ぎると太陽が尾根にブロックされてしまいます。この日もご覧のように半逆光の斜光という厳しい条件になってしまいました。