関東地方の桜もすっかり葉になってしまいましたが、東北地方でも標高の高いところでは4月下旬からGWにかけて見頃を迎えます。

そこで、今回はそんな名残の桜を追って裏磐梯から猪苗代方面を取材してきたのでその様子をご覧いただくことにします。
国道459号で裏磐梯から喜多方へ抜ける途中に見事なオオヤマザクラの林があり「桜峠」と呼ばれています。
実際の峠の頂上は2kmほど裏磐梯寄りの取上峠(約900m)という地点で、桜峠というのは観光地としての名前で地図上の地名ではありません。
桜峠は古くからの桜の名所ではなく、2001(平成13)年に敬宮愛子内親王殿下の誕生をお祝いして、元は牧場だった傾斜地に「2001本」のオオヤマザクラを植樹したのが始まりです。
天皇陛下が皇太子時代にご静養のため、ご夫妻で裏磐梯に足を運ばれていたことを縁に、地元の北塩原村が全国からオーナーを募って植樹し園地として整備したもので、
資料によれば、その後も東京都やニュージーランドとの交流のなかで追加植樹され、現在では約3,000本のオオヤマザクラを村、地元のボランティア団体、オーナーが共同で管理育成されているとのことです。


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花が終わってから葉になるソメイヨシノとは違って、オオヤマザクラは花と葉を同時につけるのが特徴です。
現地は標高が高い(約800m)うえに、とくに今年は雪が多かったため、去年より開花が10日ほど遅く、園内の一部には雪が残るなかでの観桜となりました。
また、残雪の飯豊(いいで)連峰をバックにピンクの花弁が映える北国の春ならではの景観も楽しむことができました。
オオヤマザクラは花季が4〜5日と大変短いうえに、春先特有の不安定なお天気に翻弄されることが多く、見頃の見極めが難しいことから「幻のサクラ」と呼ばれています。
地元の人はその日の状況をチェックしながら何度でも出直すことができますが、管理人のように遠方から出向く場合は「一発勝負」(笑)のため、何度も開花とお天気のタイミングを計りながら、今年ようやく念願を果たしたような次第です。
駐車場の近くには雪解け水が流れる湿地があってミズバショウが群生していました。
裏磐梯の観光山岳道路は4/25〜28にかけてようやく冬季通行止めが解除されたばかりで、桧原湖周辺にはまだたくさんの雪が残っていました。
立木の根元の雪が他に先立って丸く融けてゆく様子を見ることができます。これは「根開き」(ねあき)といって雪国に春の訪れを告げる現象で季語にもなっています。


残雪に足を取られながら中瀬沼まで行ってみました。


裏磐梯を切り上げて猪苗代側にも回りました。
町営磐梯山牧場を貫く道路の両側にソメイヨシノの並木が続き、「まきばのさくらロード」と呼ばれています。
 磐梯山の南麓にあって猪苗代湖を見下ろす気持ちの良い場所です。
最後に、土津神社にも立ち寄りました。
藩祖保科正之公を祀る神社で、土津と書いて「はにつ」と読みます。
ひときわピンクの色味が濃いサクラは、公のご縁で高遠町から贈られたタカトオコヒガンザクラです。
境内のサクラは絢爛豪華というよりは、いかにも会津の桜らしい淡麗清楚な佇まいで、静かに境内を彩っていたのが印象的でした。
最後までご覧いただき有り難うございました。





     
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