(2023.6.18)

   

 

さいたま市見沼区(みぬまく)は旧大宮市の東部に広がる緑多いところですが、今回お邪魔した「染谷花しょうぶ園」はそのなかでもとりわけ豊かな自然が保護されている区南部の一角あります。

このあたりは地名の通り低地が広がっていた場所で、園の敷地もかつて湿地だったところに手を入れて整備され、1983(昭和58)年に開園されました。

現在では約8,000平方メートルの敷地に花見台、八つ橋、四阿、茶室などが配置され、これらを巡りながら約300種、約20,000株の花ショウブを鑑賞することができます。

ここは市や区の園ではなく、地元で植木の生産や造園を営まれている会社が運営されている民間の園で、一年のうち花ショウブの花季だけ(!)1ヶ月間ほど開園されています。ちなみに、今年は5月27日からオープンしました。
園内は隅々まで手入れが行き届いていて、花殻は一つ残らずきれいに摘み取られています。
花ショウブの株が良く張っていて、一つひとつがとても大輪で、開園までの丹精が窺われます。
 
アジサイも見頃を迎えて妍を競っています。
この珍しい形のアジサイは柏葉(かしわば)アジサイというそうで初めて見ました。
花ショウブもアジサイも独特のフォルムとクッキリした色味でなかなかの存在感を放っていますが、並んで咲いていても喧嘩することなく、むしろお互いを引き立て合って調和しているから不思議です。
花ショウブやアジサイの青や紫を基調にした颯爽とした色づかいは、鬱陶しい梅雨空にあって一服の清涼剤といったところで、自然の巧まざる配剤につくづく感心します。