(2022.5.8)

   

 

今回はアサヒビール社が企画したPR飛行船「新スーパードライ号」の係留基地が近くに開設され、その様子を取材してきたのでご覧いただくことにします。

「新スーパードライ号」のことはニュースやCMで告知されていて、3月末から5月一杯にかけて国内各地を飛行中のため、ご覧になった方も多いかと思います。

関東エリアを飛行する際の係留基地が千葉県野田市の利根川河川敷に設けられ、5/5には「係留地イベント」も開催されました。
係留基地といっても、機体を係留するマストと支援車両が何台か駐まっているだけですが、障害物のない広大なスペースが要るため、こうした河川敷はうってつけです。
利根川の河川敷は他所にもありますが、多くは耕作地やゴルフ場だったり、高圧線の鉄塔が近くにあったり、スタッフの往来に不便な辺地だったりするのに対して、
ここは野田市のスポーツ公園の一角で、支障となりそうな要素が少ないことから、今までもこの種の飛行船の基地として何度か利用されています。


ネット情報によれば、この機体は世界最大の飛行船広告事業者であるAIRSIGN AIRSHIPS AMERICA LLCという会社が運用する米国籍の飛行船で、
全長=39.01m、全幅=10.97m、全高=13.41m、速度=巡航30ノット(55km/h)、最高45ノット(83km/h)、搭乗可能人数=パイロット+3名、とあります。
また、この機体は2010(平成22)年11月から2016(平成28)年12月まで、メットライフ生命の「スヌーピー号」として国内各地を飛行していたのでご記憶の方もおられるかと思います。


先ずは離陸の様子から…、
飛行船は地上にあるときは機首をこのマストに繋がれていますが、固定されているわけではないので、鯉のぼりのように風の向くまま左右上下に動き回ります。


入念に飛行前の点検が続きます。
燃料は「携行缶」のような容器から手作業で給油します。


係留マストにスタッフが上がって飛行船を解纜します。
10時過ぎ、マストを離脱した機体は、機首から垂れ下がった2本のロープをスタッフに引っ張られて、離陸位置まで移動します。
中央の短パンのおじさん(運航責任者?)の合図で発航します。


離陸の動画(↑)もご覧下さい(約1分)。
概ね風上方向へ向かって、エンジンを吹かせて離陸、上昇します。このあたりは通常の飛行機と同じ手順ですが、大きな機体が意外に急角度で上昇していくので驚きました。


 
5/5(祝)には「係留地イベント」も開催されてたくさんの来場者で賑わいました。


次は着陸の様子です、
飛行船のフライトスケジュールや現在位置は公式のツイッターや特設サイトでチェックすることができます。


16時過ぎ、今日のフライト終えて都心方向から帰ってきました。


係留地の上空を旋回して、風下方向から静々と着陸位置へ進入します。
離陸の際と逆の手順で着陸位置から係留マストまで引っ張ってきますが、

風が強い日などはなかなか力仕事のようです。


係留マストに繋ぐ作業はまさに飛行「船」を舫う作業といえます。


着陸の動画(↑)もご覧下さい(約1分)。


係留作業が終了したあと機体の近くで撮影させてもらうことができました()
(注) 前記の通り機体が風に吹かれて動き回るので注意が必要です。

空冷4気筒1994cc、出力53kw(約70hp)のエンジンが2基ついています。


コックピットはとてもコンパクトです。


昇降舵も方向舵も操縦席からのワイヤーで動かします。文字通り「フライ・バイ・ワイヤー」です(笑)。
すべての作業が完了して今日のフライトが終了です。