(2021.11.21)

   

 

今回は栃木県鹿沼市にある古峯神社とその神苑で見頃の紅葉を取材してきたのでご覧いただきます。

現地は東北道の鹿沼インターから車で小一時間、日光市と境を接する山深いところにあって、背後の山の向こうは足尾の深い谷、その先は日光に連なる峰々が続いています。

神社の縁起によれば、創建は「今を去る1300余年の昔」、祭神は日本武尊とのことで、場所柄、古くから山岳信仰の霊場として崇敬を集め、日光開山の祖とされる勝道上人も当地で修行したといわれることから、「日光発祥の地」と呼ばれています。

社号標には「吉田茂謹書」とありました。


拝殿は珍しい長屋風茅葺き屋根です。


祭神の使いとされる天狗を境内のいたるところで見かけます。


鳥居の反対側、画面左手の門が神苑「古峯園」の入口になります。


ちなみに、古峯園は「こほうえん」、古峯神社は「ふるみねじんじゃ」、一帯の地名は古峯ヶ原「こぶがはら」と読みます…。

頭上をおおう黄葉の樹林を抜けていくと……


広大な庭園が目の前に広がる……という趣向です。

およそ2,500坪の池泉回遊式庭園で、四季折々の花木を楽しむことができますが、なかでも紅葉の時期が格別で、この日も大勢の来訪者で賑わっていました。

池の奥には近くの大芦川から水を引いた「峯の滝」があり、園内屈指のビューポイントで立ち寄る人が絶えません。

イロハモミジの滴るような朱色はひときわ目を惹きます。
色調をいじって強調しているわけではありません()

園内にはたくさんの茶室があって、折々に茶会も催されているようですが、こちらの「峯松庵」では誰でもお抹茶とお菓子を気軽にいただくことができます。

山野の紅葉は野趣に富んでしみじみとした味わいがありますが、よく管理され手入れされた庭園の紅葉は整えられた姿かたちと鮮烈なまでの発色で観る人を惹き付けて已みません。

これが京都の社寺の紅葉に多くの人が魅了される所以かと思いました。