(2021.2.21)

 

  

今回は茨城県牛久市にある「牛久シャトー」を取材してきたのでその様子をご覧いただきます。

牛久シャトーは1903(明治36)年に神谷伝兵衛氏が「牛久醸造場」の名で創業したワイン醸造場で、現在は合同酒精グループが所有し、牛久市が借り受けてレストラン、物販、施設公開などを行っています。

ちなみに、神谷伝兵衛氏は浅草の老舗「神谷バー」の創業者でもあります。
2008(平成20)年に旧事務室(現、本館)、旧醗酵室(現、神谷伝兵衛記念館)、旧貯蔵庫(現、レストラン)の3棟が国の重要文化財に指定されています。
ブドウの適地といえば「水はけのよい傾斜地」というのが相場で、すっかり市街地化した現在の牛久からはイメージできませんが、

(地図にカーソルを合わせると現在の様子を見ることができます)
当時の地図を見てみると、神谷氏がブドウ園を拓いた稲敷郡岡田村の女化原(現、牛久市女化町)は一面の荒蕪地で、霞ヶ浦に注ぐ小野川へ向けて緩斜面が広がっていたことが分かります。ちなみに、女化という曰くありげな地名は「おなばけ」と読みます。
帰途にそれらしい場所(↑)へ立ち寄ってみましたが、今も長閑な田園風景が広がり、畑ばかりで水田が見当たらない→水利がよくない→水はけがよいことから、「山梨と並ぶ日本ワイン発祥の地」というのもうなずけるところです。

園内にもブドウ園が残されて手入れされています。