(2020.11.29)

 

  

気がつけば今年の紅葉も早や終盤、関東地方も山の紅葉はあらかた終わってしまったため、今回は里の紅葉をもとめて埼玉県新座市にある平林寺(へいりんじ)へ行ってきたのでその様子をご覧いただきます。

平林寺は臨済宗の古刹で、寺の縁起によればその創建は南北朝時代の1375(永和元)年に遡ります。その後、戦国時代に荒廃した塔頭が徳川家康により再興され、さらに松平伊豆守信綱一族の菩提寺となって寺運が盛んになったとあります。

このあたりの紅葉の見頃は11月下旬から12月上旬のようですが、既に落葉した木があるかと思えば、すぐ隣にまだ緑葉の木があるといった具合で、何とも名状しがたい状況でした()

それでも境内はたくさんの「善男善女」で賑わっていて、とくに年配のご婦人のグループをたくさん見かけました。

境内の奥には松平家の廟所があって、約3千坪の墓域に一族170余基の墓石が建ち並んでいます。時代がかった石灯籠を眺めていると江戸時代にタイムスリップしたような気分になります。

広大な寺域の奥には今なお武蔵野の趣を残す「境内林」が広がっていて、昭和1968(昭和43)年に国の天然記念物に指定されています。

道路を挟んだ向かいには「睡足軒」(すいそくけん)という古い建物があります。

「電力王」と呼ばれ、稀代の実業家にして大茶人でもあった松永安左エ門(耳庵)氏が所有していた草庵で、現在は新座市に譲渡され、「睡足軒の森」として一般に公開されています。