(2020.2.9)

 

  

今年も「ダイヤモンド富士」の季節がやって来ました。

ダイヤモンド富士というのは、夕陽が富士山の山頂部に沈む、あるいは朝日が富士山の山頂部から昇る現象のことで、日の出/日没時の太陽と富士山頂を結ぶ線上にいれば見ることができるわけですが、日の出/日没時の太陽の位置というのは、季節によって変化するため、ダイヤモンド富士を見られる場所も、それに応じて変化することになります。

春分/秋分には太陽は真東から昇り、真西に沈みますが、夏至には北寄りから、冬至には南寄りから昇って沈みます(右図ご参照)。これは地球の自転軸が傾いているためですが、この結果、ダイヤモンド富士を見られる場所も、富士山頂から南北35度の範囲で、季節によって移動することになります。
上(↑)の図の薄黄色で着色した範囲が[夕陽]のダイヤモンド富士を見られる範囲で、薄青色で着色した範囲が[朝日]のダイヤモンド富士が見られる範囲です。現在(2月上旬)は冬至ラインから春分ラインへ向けて移動しているところで、このあと春分ラインを過ぎて夏至ラインまで南下していき、夏至を過ぎると再び秋分ラインを経て、冬至ラインへと北上してきます。

従って、関東地方では概ね、秋(10〜11月頃)と冬(2〜3月頃)の2度、ダイヤモンド富士を見られることになりますが、富士山まで100km以上離れているため、空気が澄んで見通しが利く冬の方が確率が高くて人気があります。

また、上図の着色した範囲ならどこでも良いわけではなく、障害物があって富士山頂が見通せなかったり、「絵的」に面白くなかったりするため、自ずとカメラが並ぶ「名所」のような場所が幾つかあります。
さらに、当日のお天気という厄介な不確定要因があり、遠方の「名所」へ出かけても空振りになるリスクが高いため、管理人はお天気をにらみながら手軽に出動できる自宅近くで撮っています。
今回は上図に「撮影地」と記載した場所(松戸市から市川市にかけて)で撮影しました。
この場所(↑)は松戸市の江戸川左岸、有名な「矢切の渡し」の近くです。
この場所は最初の写真から江戸川沿いに3kmほど南下したところですが、この2枚(↑↓)のみ今年の写真ではありません。
今年も出動したのですが、あいにく厚い雲が懸かって富士山の稜線も見えない状況でした。
ダイヤモンド富士が見られるポイントは、(この辺りでは)1日で1km弱ずつ南下していき、今月の中頃には江戸川の河口に達し、20日頃にはディズニーリゾートがある舞浜海岸の辺りが見頃になります。

この場所は上の場所から更に2km弱南下したところで、JR総武線の市川駅前にあるタワーマンションの屋上です。「アイ・リンクタウン展望施設」という市川市の施設になっていて、地上150mから360度のパノラマを楽しむことができます。東京スカイツリーとダイヤモンド富士が見られる人気スポットのため、この日も多くの善男善女(笑)で賑わっていました。
日が落ちると北風が強くなり雲が切れてきれいな夕焼けになりました。