(2019.9.1)

 

  

奈良県橿原市の東南一帯は、かつて飛鳥時代に藤原京が営まれた場所で、その一角、現在の地名でいうと橿原市城殿町(きどのちょう)という所に薬師寺の跡があります。

その後の平城京遷都に伴い、薬師寺は現在の西ノ京に移ったため、これと区別するため「本薬師寺」(「元薬師寺」ともいわれる)と呼ばれていますが、

その本(元)薬師寺跡の周囲1.4haの休耕田に近隣の小学生やボランティアの手でホテイアオイが植えられ、8月下旬〜9月にかけての最盛期には、約40万株の薄紫色の花で埋め尽くされます。

ホテイアオイというのは南米が原産の水草で、金魚やメダカの水槽でよく見かける植物です。結構シッカリした花をつけますが、いわゆる「一日花」のため朝に開花して夕方には萎んでしまいます。

一帯は大和三山に囲まれた何とも長閑な田園風景が広がるところで、明日香観光のついでに立ち寄るのも一興かと思います。
薬師寺の跡といっても堂宇の礎石が残るのみです。
「一日花」のため、日によって開花数や開花場所にバラツキがあります。
野鳥(タマシギ)の親子が餌(多分、タニシ)をついばんでいました。ちなみに、タマシギは「一妻多夫」(!)とのことで、子育てはオスの役目だそうです。そう思って眺めてみるとヒナたちを見守るオスの姿にどことなく哀愁が漂っているような…(笑)。