(2019.2.3)

     

  

水郷で有名な潮来から鹿島灘に沿って大洗に至る一帯は「茨城県鹿行(ろっこう)地方」と呼ばれます。

これはこの地域が同県の鹿島郡と行方(なめかた)郡からなることに由来していますが、千葉県の九十九里浜から続く砂浜が延々と連なり、風景としては変化に乏しい(≒撮りにくい)ところでN's TOWNでもあまり採り上げたことがありません。

そこで、今回は取材旁々、茨城県でも屈指のパワースポットといわれている大洗磯前(いそさき)神社と鹿島神宮を巡拝して、新年の運気上昇を祈願(?)してきたのでその様子をご覧いただくことにします。
大洗と聞いて先ず思い浮かぶのは「神磯の鳥居」かと思います。
大洗磯前神社の御祭神が降臨されたといわれているところで、鹿島灘にせり出した岩礁のうえに鳥居が建っていて、昇る旭日をバックに神々しい景観を拝むことができます。
海岸から急な階段を100段近く上がった高台に大洗磯前神社の社殿があります。
海運や水産などの海事に所縁が深い神社のようで、「大洗海洋博物館」や「軍艦那珂忠魂碑」といったものもあります。
鹿島神宮は神武天皇元年の創建といわれる古社中の古社で、武神軍神を祀る神社として永く信仰を集めてきたところです。
「神武天皇元年」は神話の世界としても、畿内の大和朝廷にとって鹿島神宮というのは、北方の奥州や蝦夷地平定のための前進基地として、あるいは東国経営のための統治拠点として、特別な存在だったことがうかがえます。
鹿島神宮の広大な森は、「鹿島神宮樹叢(じゅそう)」として県の天然記念物に指定されて自然の姿を残しています。

奥宮に至る参道は神社につきものの玉砂利が敷かれているわけでもなく、両側に広がる「自然林」と相俟って、何とも質朴な佇まいが独特の雰囲気を醸し出しています。

奥宮の先にある「御手洗池」(みたらしいけ)で、日量40万リットル以上の湧水があるとのことです。
毎年大寒の時期にこの池に肩まで浸かって心身を清める「大寒禊」(だいかんみそぎ)という神事があり、今年は1月20に斎行されて「県内外から約200人が参加し、一年の決意を新たにした」と地元の新聞にありましたが、寒がりの管理人などは聞くだに震えあがるような話です。


かつて鹿島神宮参拝者の船着場だった大船津というところに「西の一の鳥居」が建っています。ちなみに、ここは北浦といって霞ヶ浦に連なる水域です。
湖底からの高さは18.5メートルあって、水上鳥居としては厳島神社の鳥居を超える日本最大級の大きさです。
最後は、例によって主題と関係ありませんが(笑)、1,236メートルの雄大な橋梁で北浦を渡るJR鹿島線です。
遮るものがない胸の空くような景観で思わず立ち寄りました。



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