(2018.1.7)

 

 

  

新年明けましておめでとうございます。
本年も引き続きお立ち寄りのうえご高覧を願い上げます。

今年の「更新初め」は、山梨県甲州市(旧、塩山市)で取材した「ころ柿の里」をご覧いただきます。

山梨県の東部、JR中央本線塩山駅の北側に広がる塩山松里地区は「ころ柿」の産地として有名です。

ころ柿というのは「甲州百目柿」という大きな渋柿を干して作られる干し柿で、11月初旬から収穫が始まり、皮を剥いて2〜3週間ほど吊るし、そのあと10日ほど平台に並べて天日干ししながら、ひとつずつ手作業により果実を揉んで柔らかさと形を整えていくそうです。

毎年11月から年末にかけては、農家や民家の軒先に見事な「柿すだれ」が冬の日差しを浴びて、この季節ならではの風物詩になっています。
一つが百匁(ひゃくもんめ)=約375gもあることから、百匁柿が訛って「(甲州)百目柿」になったと言われています。







右(→)の写真のように甘味成分が結晶した白い粉が吹くまで干し上げたものを「ころ柿」といい、もう少し半ナマ状態のものを「あんぽ柿」というそうです。

ちなみに、右の見事なころ柿は家人のお友達の自家製で、現地では一般のご家庭でもこうして手作りされることが少なくないようです。



これは「西藤木(地名)水車」といって、江戸時代末期から昭和40年代まで実際に使用されていたもので、現在は修復されて甲州市の有形民俗文化財に指定されています。
近くには武田家の菩提寺である恵林寺があります。
臨済宗の古刹で、武田氏滅亡のあと信長の焼き討ちに遭いましたが、その後、家康により再興され、さらに甲斐国主となった柳沢吉保の庇護を得て寺運が盛んになったとあります。
屋根上の「武田菱」が往時を今に伝えています。

庫裡の裏でも柿と大根が冬の日差しを浴びていました。