(2017.5.14)

 

 

 

時候の挨拶風に書けば「薫風緑樹をわたる頃」となりました。桜の時季の豪華絢爛な気分とは別趣の、清新な息吹に満ちあふれたすがすがしい季節です。

今回はそんな五月晴れの一日を選んで、富士市から富士宮市にかけての富士山西麓を周遊してきたので、その様子をご覧いただきます。
ここは新富士駅の東方約6kmの地点です。
新幹線はほとんどが防音壁やシェルターの中を走っているので、今ではこうした「素通し」の区間は貴重です。
ここは4月に「富士山レンゲまつり」が行われたところで、既に田植えを控えてほとんど刈られていましたが、この一角だけが辛うじて残されていました。
上空を舞っているのはツバメです。(旧)国鉄やJRと何かと縁の深い鳥です。

東海道新幹線は「のぞみ」、「ひかり」はすべてが、「こだま」も半数以上がN700A系に置き換わりました。
現在、一部の「こだま」で運行されている(旧)700系(上の写真)は2020年1月の引退が決まっていて、これにより東海道新幹線から「喫煙車両」がついに姿を消すことになります。1964(昭和39)年の新幹線開業当時は全席喫煙可(!)だったことを思うと、愛煙家の皆さんのご無念は察するに余りあります(笑)。

ここは富士宮市の柚野(ゆうの)という地区です。
富士宮市北部の湧水群を水源とする芝川(富士川の支流)が南流していて、その両岸がなだらかな棚田になっています。
棚田の縁は富士山の火成岩(?)で見事に石組みされていて独特の景観をつくっています。
このあたりは田植えが早くて、GWも農家にとっては「農繁期」のようです。

田植えが終わった田んぼの向こう正面には、富士山が伸びやかに裾野をひろげています。
名勝「白糸の滝」は滝壺から見上げることが多いと思いますが、滝上の展望台からは富士山と滝を一望することができます。
滝は谷間にあるため、午前中と午後の遅い時間は影に入ってしまうので、正午過ぎが一番の見頃です。
富士山の伏流水が至るところから湧出して、まさに「白糸の滝」になっています。
朝霧高原は富士宮市の北部から山梨県との県境にかけて広がる草原で、どこからでも富士山の秀麗な姿を一望できる広闊な景観は、いつ来てもなんど眺めてもあきることがありません。