(2014.9.28)

 

 

いつもこの時季になると「暑さ寒さも彼岸までの諺どおり…」といったことを書いていますが、今年もあんなに厳しかった残暑がウソのように鎮まり、朝夕の秋冷が心地よい時候となってきました。

N's TOWNでも秋の「書き入れ時」(紅葉シーズン)を控え、今回はその前哨戦として、栃木県鹿沼市に彼岸花を取材してきたのでご覧いただきます。
鹿沼市は栃木県の中部に位置する市で、サツキや鹿沼土の産地として有名ですが、今回取材したのは、市の南西部にある粟野地区というところで、古くから足尾を経て日光へ抜ける旧街道が通じていた山あいの里です。

彼岸花は稲作とともに渡来してきた古い帰化種で、昔からこの時季の田園風景にはなくてはならないアクセントですが、ここは川沿いの林間に群生している独特の景観で、足元にはシダのような植物が繁茂し、さらに近くには竹林などもあって、ちょっと趣の変わった写真が撮れることから、人気のスポットになっています。
彼岸花はその鮮烈な赤色と異形の花弁から、どこか妖気漂うところがあり、好悪のはっきり分かれる花ですが、管理人にとっては、夏から秋へ季節が移るひとときを彩る貴重な写材でもあります。
また、非常に生命力が強く群落を形成することが多い特性を活かして、積極的に植栽して観光資源に利用している地域もあり、ここでも地元の方々が大切に手入れされています。


管理人謹吟
現場近くの物産館で教えていただいた蕎麦屋で昼食にしました。

知らないと通り過ぎてしまいそうな建物ですが、営業時間(11:30〜14:00のみ!)になると狭い駐車スペースが車であふれていました。

メニューは盛り蕎麦のみですが、久しぶりに香り高い美味しい蕎麦をいただきました。

お店のHPなどはありませんが、ご関心のある方は<こちら>をご参照ください。
こちらは山をひとつ隔てた下粕尾地区というところにある常楽寺です。ここも彼岸花で有名ですが、上でご覧いただいた粟野地区の群生地に較べて1週間ほど花季が遅いため、まだ8分咲きといったところでした。
このあたり一帯はソバの作付けが盛んな地域で、折からソバの花も満開でした。
刈り取りを待つ田んぼの脇にも彼岸花が静かに咲いていました。
赤い彼岸花と黒いクロアゲハは妖艶な「撮り合わせ」でよく見かけますが、この蝶は文字通り「尾羽うち枯らす」といった個体で、飛ぶというよりは風に煽られて漸く彼岸花にたどりつき、必死にしがみついていました。翅紋からすると、産卵を終えたメスと思われます。


管理人謹吟