(2013.7.28)

 

 

奈良県の北部に位置する奈良盆地は、およそ500万年前に準平原状の地盤が陥没してできた断層盆地といわれ、とくに奈良市から桜井市にかけての盆地東縁部には、その奥に拡がる大和高原とのあいだに、「春日断層崖」とよばれる比高300〜400mの急峻な地形が連なり、奈良盆地形成の歴史を見て取ることができます。

ちなみに、天理から東進する名阪国道(国道25号)は、天理東I.C.から福住I.C.の間で大きなΩ(オメガ)状のループを描いて、約350mの高低差を緩和していますが、それでも平均勾配は6%あり、さらにR150の急カーブが連続するため、実際に走行してみると結構な急坂です。

その春日断層崖の下を縫うように、三輪山の麓から春日山の麓まで、南北に通じている古道が有名な「山辺の道」で、沿道には古社や陵墓が連なる「古代ロマンの地」でもあります。
今回は、その山辺の道も立ち寄る「石上(いそのかみ)神宮」(天理市)を訪ねてきたので、ご覧いただくことにします。社伝(神宮の公式HPご参照)によれば、古代豪族の物部氏により氏神として奉祭されてきた神社で、伊勢神宮とともに、古事記や日本書紀にも記述がある日本最古の神社です。旧社格は、もちろん「官幣大社」です。
伝来の古太刀をはじめ多くの宝物が国宝や重文に指定されていて、建造物では、拝殿(↑)と摂社拝殿(↓)が国宝に指定されています。



管理人謹吟


山辺の道が境内を南北に突っ切っていて、森閑とした神域を抜ける古道は格別の趣があります。




管理人謹吟