(2012.4.22)


   

 

 

  

厳冬の影響で開花が遅れていた今年の桜もようやく花をつけました。

桜の花というのは花期がとても短く、全体でもせいぜい1週間、見頃というと満開を中心に4〜5日しかないため、管理人のような「サンデーカメラマン」にとって、撮影のチャンスは1回の週末のみということになり、その週末が雨だったり、他用でふさがったりすると、もう来年まで待つほかありません。

このように貴重なワンチャンスを撮り逃がすわけにはいかないので、開花状況やロケーションが不確かな遠方や初めての場所といった「リクス」は避けて、どうしても勝手知ったる地元の桜を確実に撮り押さえる(!) ということになります。そこで今回は、管理人の「ホームグランド」でもある千葉県立柏の葉公園で、今年の桜を取材したのでご覧ください。
柏の葉公園は、千葉県柏市北部の流山市と隣接する総面積187.8haに及ぶ広大な地域で、戦時中は旧陸軍柏飛行場(陸軍東部第105部隊)が建設され、戦争末期にはわが国初のロケット戦闘機「秋水」の運用部隊も駐留していました。

かつての陸軍東部第105部隊の営門(右の写真)が残っています。貴重な戦争遺跡ですが、ここを公道が通っていて、隣接するスーパーマーケットに出入りする車を中心に、それなりの通行量があるため、今となっては少なからず交通の支障になっています。ちなみに、奥のアンテナ群は、航空自衛隊柏送信所です。
柏飛行場には、立川や調布などから移駐した飛行戦隊が「帝都防衛」にあたり、終戦間際には「秋水」(右の写真)の基地として、燃料庫なども建設されましたが、試作機の墜落やロケットエンジンの不調などにより、ついに実機は配備されないまま終戦を迎えました。

(C) Wikipedia
柏飛行場には1,500メートルの滑走路が建設されました。現在その跡地には、東大柏キャンパス・国立がんセンター・財務省税関研修所・千葉大キャンパスなどが建ち、滑走路の痕跡はまったく残っていませんが、柏の葉公園の外周道路の一部(上の写真)が滑走路跡(右の地図ご参照)に近接していて、往時の面影をかすかに偲ぶことができます。

(点線は当時の柏飛行場区域で、その一部は、現在の国道16号を越えて、十余二(とよふた)工業団地まで拡がっていました)

例によって脱線してしまいましたが、このあたりの戦争遺跡については、N's TOWNでも一度きちんと特集してみたいと思っています。柏の葉公園に話を戻しますと、戦後は一時米軍に接収されましたが、後に返還されて1984(昭和59年)から跡地の再開発事業が進められてきました。

全体が住居区域/公園/東大柏キャンパス/国立ガンセンターの4ブロックに区分され、既にほとんどの開発が完成して、県北の中核地域として今後の発展が期待されています。なかでも柏の葉公園は、公園ブロックの中心施設で、上の地図のように、全体で45ha(約13万坪)の敷地の中に、県民プラザ、野球場、総合競技場(サッカー場)などもあり、文化・スポーツの拠点として一年を通して沢山の利用者で賑わっています。

ここは去年から狙っていた撮影ポイントで、北エントランスから続く桜並木です。ここの桜は樹勢盛んな若木が多いので、このように大きく枝を枝垂らせて絵になりますが、老木になると木を保護するため突然バッサリと整枝されて、前年とは似ても似つかぬ景色になってしまい、2年越し3年越しで撮るつもりがガッカリということもあります。

ショートムービー(1分)をYou Tubeへアップしたのでご笑覧ください→ 
ペットを連れた来園者が多く、皆さん広い公園を思い思いに満喫されています。ちなみに、園内にはドッグランの施設もあり、愛犬家にとっても、犬本人(?) にとっても、伸び伸びと楽しめる公園です。

これも去年から狙っていた桜で、日本庭園の滝口へ覆い被さるように、見事な枝振りを見せています。

県民プラザの横、調整池に面した土手の桜です。水面を渡る冷たい風に、桜の若木が枝を揺らせていました。


花冷えに つぼみも残る 初桜

(管理人謹吟)