(2011.3.4)


   

 

 

  

最近、「フィルムコミッション(Film Commission)」というのが各地に設立されています。映画、テレビやCMなどの撮影場所誘致や撮影活動支援を通じて、その土地の風物や名所旧蹟を広めることにより、地域の活性化や観光振興を図るのが目的です。NPOとして組織化されているところもありますが、たいていは地元自治体や観光協会の事業の一部として運営されています。

前回ご覧いただいた袋田の滝がある茨城県久慈郡大子(だいご)町にもフィルムコミッションがあって、町内の各地に残る木造校舎をモチーフに活動されています。今回ご紹介するのは、そのなかでも一番雰囲気のある、大子町立(旧)上岡(うわおか)小学校の木造校舎です。

旧上岡小学校校は、1879(明治12)年4月に大子小学校分教場として創立、2001(平成13)年3月に最後の卒業生6人を送り出し、120余年の歴史に幕を閉じて廃校になりました。現在は、地域の多目的集会所として活用されているほか、「保存会」の皆さんにより、土日祝日の9:00〜16:00には、「開校日」として校舎内も開放されています。

このあたりは、国道に沿って開けた谷間の山村といったところで、小高い山の南側斜面を背中にした7,341u(約2,200坪)の校地に、職員室・教室棟(明治44年築)と講堂棟(昭和12年築)と保健室棟(昭和38年築)が配置されています。

映画、テレビ、CMなど多数の撮影に使用されてきましたが、ポピュラーなところでは、NHKの朝の連続ドラマ「おひさま」(2011/4〜10)で、ヒロインの丸山(旧姓、須藤)陽子<井上真央>の母校で赴任先でもある有明山尋常小学校(後の、有明山国民学校)にこの校舎が使われている(そうです)。

昨春の東日本大震災では、当地も震度5強の揺れに見舞われましたが、幸い校舎にはこれといった被害の痕が見受けられません。

校舎内には当時の什器備品がそのまま残されていて、ここだけ時間が止まったような不思議な空間です。

懐かしい下駄箱とスノコです。登下校時の児童のざわめきが聞こえてくるようです。

「卒業」をイメージしたフォトムービーを制作しました。短編(約4分)なので是非ご覧ください。
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