(2011.12.25)


   

 

 

  

現在の利根川は千葉県と茨城県の県境を流れて銚子で太平洋に注いでいますが、近世以前は、もっと西側、概ね今の江戸川の流域を、幾筋もの細流となって東京湾へ流れ込んでいて、その名残りは今でも「古利根川」として随所に見ることができます。

今回ご覧いただく水元公園(東京/葛飾)を囲む広々とした水面も、「小合溜(こあいだめ)」<小合は地名>といって、もともとは将軍吉宗の時代に、古利根川の洪水防止と周辺地域の潅漑用に開削された遊水地です。

このような「バードサンクチュアリー」も設けられています。

この白サギは、おこぼれを狙って(?)釣り人の側を離れません。
園内には、小合溜から引いた大小の水路が走り、(都内でありながら)ちょっとした水郷風景の趣もあって、水辺ならではのシットリした潤いが何とも心地よい公園です。とくにこの時期は、色づいたメタセコイアの木々が水面に映えて、どこか日本離れした広闊な景観を楽しむことができます。

メタセコイアはスギ科の針葉樹ですが、秋には紅葉して落葉します。かつては化石が発見され、絶滅種と思われていましたが、その後、中国で現生種が発見され、それが各地に広がりました。「メタ」というのは「変異」を意味する言葉で、メタセコイアとは「セコイアと似て非なるもの」ということになります。

ちなみに、セコイアもスギ科の高木ですが、米国西部の山中に多く自生し、平均的な樹高が80メートル(!)という巨樹で、こちらは常緑で落葉しません。

「秋の日はつるべ落とし」といいますが、黄金色の夕陽にメタセコイアの紅葉が映えて、いよいよ「晩秋」といった雰囲気になってきました。今回、N's TOWNでは初めての試みとして、フォトムービーを作成しました。短い(2分15秒)ので是非ご笑覧ください。スチール写真とは勝手が違うので、お見苦しいことと思いますがご容赦願います。
You Tubeにフォトムービーをアップしたので、右のアイコンをクリックしてください(BGMあり)。→
一年間ご覧いただき有り難うございました。
来年も引き続きお立ち寄りのうえご笑覧を願い上げます。

それでは、
Merry Christmas and Happy New Year ! よいお年をお迎えください。