(2011.10.2)


   

 

 

  

小田代ヶ原は、奥日光にある戦場ガ原の西側に広がる周囲約2キロの湿原で、N's TWONでは今までに何度も訪れているので、ご記憶の方もおられるかと思います。

一帯は三方が山に囲まれたごく浅い盆地状になっていて、普段は湿原というよりほとんど草原といった状況で覆水は見られませんが、台風や大雨のあとには一時的に湖沼が出現することがあります。

今回は、先月(9月)、近畿地方(とくに、奈良県と和歌山県の山間部)を中心に大きな被害をもたらした台風12号の影響で、当地でも大雨が続いたことから、湿原に雨水が溜まって「小田代湖」となった次第です。

2007(平成19)年9月の台風9号以来4年振りの冠水で、前回は10月中旬には水が引いたそうですが、今回の規模はその2倍といわれており、このまま冬まで残って結氷するのではないかともいわれています。

手前のカラマツも、今月末には金色に黄葉して、奥日光の晩秋を彩ります。

右の写真は2006(平成18)年9月に撮影したもので、普段、この時期には草原を彩る草紅葉を見ることができます。

中央に見えるのが「貴婦人」と呼ばれるシラカバで、小田代ヶ原のシンボルツリーのような存在です。

小田代「湖」を取材してから、すこし林間コースを湯川に沿って上流へ散策しました。

湯川ではルアーフィッシングを楽しむ釣り人(アングラー<Angler>というそうです)をたくさん見かけました。

少し上流の「湯滝」にも立ち寄りましたが、こちらも普段より水量が多く、滝壺には雷鳴のようなごう音が轟いていました。下の写真は、湯滝の「滝口」です。ちなみに、湯滝を落ちた水は、湯川となって戦場ヶ原を抜け、竜頭の滝を経て中禅寺湖に注ぎ、さらに華厳の滝を落ちて大谷川(だいやがわ)となり、鬼怒川・利根川と合流して、銚子で太平洋に至ります。