(2011.9.11)


   

 

 

  

名古屋にはトヨタ関連の博物館が2つあります。最初にご覧いただくのは、名古屋市郊外の東部丘陵・長久手町というところにある「トヨタ博物館」です。

長久手というのは、有名な「小牧・長久手の合戦」が行われたところで、近くは2005(平成17)年に愛知万博(愛・地球博)が開催されたところでもあります。

名古屋市内からは、地下鉄東山線と「リニモ」(上の写真)という新交通システムを乗り継いで、約30分ほどの場所にあります。(線路左手の赤い標識のある辺りが「トヨタ博物館」です)

約14,000坪の敷地にゆったりと配置された本館と新館に、古今東西の名車約120台が展示されています。特筆すべきは、展示車両のほとんどが「動態保存」されていることで、イベントの際などには構内を自走することもあるそうです。

もうひとつの博物館は、産業技術記念館(トヨタテクノミュージアム)で、名古屋駅からタクシーで約5分という便利な場所にあります。ここは、旧豊田紡織の本社工場跡地で、トヨタグループにとっては発祥の地とも聖地ともいうべき所です。

館内は大きく「繊維機械館」と「自動車館」の2つに分かれていて、紡織機械と自動車を2本柱として成長・発展してきたトヨタグループの歴史を見ることができます。

先にご覧いただいた長久手町の「トヨタ博物館」は、(どちらかというと)自動車の歴史100年を彩った名車を並列的に展示してあるのに対し、こちらの「産業技術記念館」は、トヨタグループのモノ作りに対する意気込みやこだわりといった、精神性のようなものを強く意識した展示になっているように見受けました。
繊維機械館には、多数の紡織機械が「動態保存」されていて、スタッフが実際に運転してみせます。こうして、その構造や動作が「目で見て分かる」機械が今では少なくなったため、管理人のように初めて見る者には、それだけで新鮮な感動があります。

実は、(トヨタだけでなく)旧日産プリンス自動車(遡れば立川飛行機、更に遡れば中島飛行機)も繊維機械(有名なところでは、旧富岡製糸場の繰糸機)を作っていた歴史があり、紡織と自動車は何か技術的な繋がりがあるのかも知れません。管理人は、「どちらも"回転技術"がカギ」という大胆な仮説(笑)を立てていますが……。