(2011.1.30)


   

 

 

  

常磐道や東関東道など千葉県を東西に横断する高速道路は早くから整備されてきたのに対し、房総半島を南北に縦断する道路は2007(平成19)年に館山道がようやく全通したところです。

このため、南房総は距離のわりに時間がかかり、行楽シーズンには大渋滞になることから、なかなか足が向かず、同じ県内にいながら
、N's TOWNでもほとんど紹介したことがない「空白地域」でした。

そこで今回は冬のオフシーズンをねらって、思い切って南房総の鋸南(きょなん)町まで足を伸ばし、今が見頃のスイセンを取材してきたのでご覧いただきます。

千葉県南西部の浦賀水道に面する一帯は内房(うちぼう)と呼ばれ、房総丘陵が海岸近くまで迫り、変化に富んだ海岸風景を楽しむことができます。

鋸南町は、その内房の一角にあって、鋸山(房州石材の採石地として有名)の南に位置することから、その名が付いたといわれています。

かつては、近隣の8町で千葉県安房(あわ)郡を構成していましたが、2006(平成18)年に他の7町が合併して南房総市になったため、現在では鋸南町のみの「一郡一町」となりました。
スイセンは古くから鋸南町の特産品で、現在でも越前・淡路と並ぶ日本三大スイセン産地の一つに数えられています。温暖な気候を活かして、町内のいたるところでスイセンが栽培されていますが、とくに「江月地区」と「をくずれ地区」が有名です。

帰途、東京湾越しに富士山の夕景を撮るべく木更津港に立ち寄りました。木更津港は新日鉄や東京電力が位置する南西部へかけて変貌が著しいところですが、ここは北東部に位置する内港というところで、今なお古き良き港町の風情を残しています。

この橋は中の島大橋といって、内港に浮かぶ中の島へ渡るためだけの歩道橋(!!)です。中の島は、潮干狩りや魚釣りで人気のポイントですが、島というほど大きいものではなく、地元漁協の潮干狩り関連施設の他は、芝生広場が拡がっているだけです。

木更津港に出入りする船舶を通すため、海面からの高さが27メートルもあって、「日本で一番高い歩道橋」とのことですが、事業仕分けの蓮舫議員ならずとも、「二位じゃダメなんでしょうか?」と思わず突っ込みたくなる眺めではあります。