(2010.10.10)


   

     

 

 

一般に県境というのは、大きな河川や山の尾根筋に沿って引かれていることが多いため、利根川・渡良瀬川・江戸川などが合流/分流する埼玉県の北東部は、群馬・埼玉・千葉・茨城・栃木の5県が隣接するという、全国でも珍しい地域になっています。

その埼玉県北東部にある幸手(さって)市の北部、旧利根川を挟んで茨城県と接する所に、権現堂堤という古い堤防があります。権現堂堤の来歴については、2005-4-17号の「権現堂堤」で触れているので割愛しますが、堤防というよりは「廃川の土手」(幸手の皆さんゴメンナサイ!)といった方が相応しい規模のものです。 もともとは何の変哲もない場所だったと思われますが、戦前から桜並木の名所として賑わったほか、最近ではスイセン・アジサイ・彼岸花などが積極的に植栽され、今では「四季を通して楽しめるお花見の名所」(幸手市観光協会)としてすっかり有名になりました。

N's TWONでも、今までに桜(上記、2005-4-17号)と、アジサイ(2010-7-11号)を掲載していますので、ご記憶の方もおられるかと思いますが、今回は彼岸花を取材して参りましたのでご覧いただきます。

彼岸花は紅葉が始まるまでの「端境期」を埋めてくれる貴重な写材で、とくに田畑の畦などに群生しているのは、初秋の風情があって「イイ感じ」なのですが、人工的に植栽された場所で手っ取り早く済まそうとすると、(今回のように)単調な絵になってしまうので苦心します。
彼岸花の中にある黒い幹は桜です。

整然と植えられているので、撮る角度に気をつけないと、このように「整列っ!」ということになります(笑)。