(2008.11.23)


   

 

   

関東圏から外に出る機会が滅多にないため、同じようなところばかりグルグル回っているN's TOWNですが、なぜか山梨県だけは取材回数が極端に少なく、創刊以来いままでに4回しか訪れていません。そこで今回は思い切って昇仙峡(甲府市)から通仙峡(北杜市)にかけて早めの紅葉を探して参りました。
「昇仙峡」は県央部の甲府市にある観光名所で、富士川の支流である荒川の上流部に刻まれた景勝地です。全長5キロほどの渓谷には奇岩・怪石が連なり、それぞれに曰くありげな名前がつけられています。

渓谷を見下ろす羅漢寺山の山頂までロープウエイが通じていて、さらに山頂駅から徒歩10分で標高1,058mの弥三郎岳の頂きに立つことができます。

山頂は巨大な花崗岩の一枚岩で、富士山から南アルプス、秩父連山に至るまで360度の眺望をほしいままにできます。

上の写真は、昇仙峡のシンボルともいうべき「覚円峰」という岩峰で、ポスターなどでよく見る景色ですが、残念ながら紅葉には少し早く、周囲の木々はまだ青々としていました。しかも岸壁の周辺は意外に常緑の木々が多く、ピーク時でも渓谷が紅葉で埋め尽くされるといった感じではないように見受けました。
渓谷を巡る遊歩道の最奥部にある「仙娥滝」です。高さ23mの滝で滑らかな花崗岩の岩肌を3段になって落ちています。ちなみに、仙娥というのは「仙女」の意味だそうです。

昇仙峡を切り上げて、県西部の北杜市にある「通仙峡」へ回りました。ここは奥秩父の金峰山(2,599メートル)から流れ出る本谷川に沿った渓谷で、昇仙峡ほどメジャーではないのでゆっくりと鑑賞することができますが、深い谷間にあるため午後2時を過ぎるともう日が陰ってきて、写真を撮るうえでは気ぜわしい限りです。

上の写真は塩川ダムというダム湖ですが、この上流(写真右奥の方向)が通仙峡になります。

この辺りは少し標高が高い(1,000メートル前後)ことと、カエデやブナやミズナラといった広葉樹が多いため、山全体がさながら錦秋の装いといった趣がありました。