(2008.2.10)


   

 

     

兵庫県の北部、旧但馬の国の山あい、日本海に注ぐ円山川(まるやまがわ)の支流、大谿川(おおたにがわ)に沿って、くの字にひらけた湯の町が城崎温泉である。日が落ちると川沿いの旅館街に灯が点り、外湯を巡る浴客達の下駄の音が川面に響いて、冬の長い夜が静かに更けていく。

……ということで、山陰の冬の味覚、カニを求めて城崎温泉へ行ってまいりました。当初は、志賀直哉先生の「城の崎にて」を意識した構成にするつもりで、タイトルと書き出しだけは予め準備していたのですが、松葉ガニと雪見酒に気をとられて、取材の方はすっかりお留守になってしまいました。

……ということで、今回は「撮って出し」(メディア用語で無編集のことをいう)同然の、「ミニ更新」になりましたことをお赦し願います。

暮れてなお 降り積む庭の 露地行燈 (管理人謹吟)

ご無礼しました。今号はこれにておしまいです。