(2007.9.2)
ひとくちに北海道といっても、本州からの玄関口にあたる道南に較べて、道東や道北はどことなく「秘境感」があって、旅心がかき立てられます。 秘境感といっても、「人跡未踏の地」などあるわけないのですが、稚内や知床や根室の「最果て感」が、観光客を魅了してやまないのだと思います。 今回はそうした「秘境感」や「最果て感」を求めて、道東を中心に周遊してまいりましたのでご覧いただきます。 それでは、「層雲峡」から…。 |
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層雲峡は道央というべきところで、道東というのはあたらないと思いますが、奇岩に挟まれた崖下の細道は、どこか「道東の入口」といった趣があります。 |
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層雲峡は旭川と網走を結ぶ国道39号線に沿って上川から少し遡ったところにあって、ここは大雪山系に源を発する石狩川が上川盆地へ流れ出る部分で、深い渓谷になっています。これは、約3万年前に大雪山系の噴火によって大量の溶岩流が周辺の谷を埋め尽くし、石狩川がそれを浸食して今日の姿になったもので、高温の溶岩が冷却の過程でひび割れ(節理)を形成し、浸食に伴ってこれが露頭して、石狩川の両岸24キロにわたって、比高200メートルに及ぶ見事な柱状節理が林立する奇観を呈するに至りました。 |
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石狩川の浸食はいまも続いていて、落石や崖崩れが後を絶たないため、国道39号線は長大なトンネルに付け替えられ、旧道は遊歩道として開放されてきましたが、その旧道も落石の危険が高いとして、現在は一部区間を除いて閉鎖されているので、観光できる場所は非常に限られています。 |
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これは、「流星の滝」(上の写真)、「銀河の滝」(下の写真)、と呼ばれているもので、日本の滝100選に選ばれているそうです。このように断崖の上から石狩川に落下するスケールの大きい滝が幾筋もあって、それぞれに曰くありげな名前がつけられているのですが、上記の通り観光場所に制限があるため、間近に眺められるのはこの2つの滝くらいです。 |
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これは「大函(おおばこ)」という場所で、層雲峡の最奥部になります。少し下流には「小函(こばこ)」という場所もあって、層雲峡の絶景ポイントといわれていますが、遊歩道の閉鎖区間にあるため現在は訪れることができません。ちなみに、「函」というのはアイヌ語で「両岸から岩壁が迫った場所」とか…。 |
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層雲峡温泉の背後には大雪山系の黒岳(1,984メートル)が聳え、ロープウエイとリフトが7合目まで通じていて、手軽に登ることができます。 |
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写真はロープウエイ駅(5合目・1,300メートル)からの眺めで、眼下の建物が層雲峡温泉街、左手奥が上川から旭川方面になります。石狩川によって浸食された深い渓谷の様子がご覧いただけると思います。 |
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ちなみに、大雪山系というのは北海道の中央部に位置する火山群の総称で、主峰の旭岳(2,290メートル)は北海道の最高峰です。 |
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層雲峡から石北峠を越えて北見へ下ると、広大な田園風景が車窓に広がります。これは刈り取りが済んだ麦畑で見かけた「麦稈(ばっかん)ロール」というもので、要するに麦わらのロールで、直径約1.5メートル、1個の重さが約350キロもあり、牛クンたちの寝床(敷料)になります。牧草地で見かける牧草ロールもあって、こちらは牛クンたちのエサになります。 |
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ここからは屈斜路湖の写真です。屈斜路湖は太古の火口原に水が溜まってできたカルデラ湖で、あとでご覧いただく摩周湖や、次号でご覧いただく阿寒湖も、すべて同じ成因です。屈斜路湖は、カルデラ湖としては日本最大(世界でも第2位)で、カルデラ自体も東西26km・南北20kmあって、あの阿蘇カルデラ(東西18km・南北25km)をもしのぐ日本最大の規模です。さらに湖の中央部に浮かぶ中島も火山で、その頂部には小さいながらカルデラをもっています。 |
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「外輪山」を越えて屈斜路カルデラへ下りる峠は全部で4つありますが、眺望という点では湖の北西部にあるこの「美幌峠(525メートル)」が白眉といえます。あまりにも有名な観光スポットなので、今さら多くを語るのも気が引けますが、熊笹に覆われた峠道を上り詰めると、突然視界が開けて眼前に大パノラマが拡がるという、自然の巧まざる演出には声を失ってしまいます。 |
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この日は素晴らしい好天に恵まれて、眼下の湖はもとより、硫黄山や摩周岳、遠くには斜里岳も望むことができました。 |
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ご存知、摩周湖です。摩周湖は、7〜8千年前(縄文時代早期)に、屈斜路カルデラの東壁で噴火した摩周岳のカルデラに水が溜まったのもので、屈斜路ファミリーの一湖ということができます。 |
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海抜351メートルの湖岸から平均斜度45度の急角度で立ち上がる火口壁は150〜350メートルの高さに及び、いかにもカルデラ湖といった景観です。湖の中央にある小島(カムイシュ島)も火山で、約230メートルの山体の頂部30メートルが水面上に顔を出しています。 |