(2007.8.12)


   

     

     


エイーヤ〜 会津磐梯山は 宝の山よ
笹に黄金が エーまた なり下がる
スッチョイ スッチョイ スッチョイナー



……と、民謡「会津磐梯山」に唄われる磐梯山(1,819メートル)は、その優美な山体を猪苗代湖に映していますが、裏側(北麓)に回ると馬蹄形に崩れたカルデラが大きく口を開けた荒々しい景観を見せます。

これは、1888年(明治21年)7月15日に起きた大爆発の際に、山頂部が崩壊したもので、その際の岩屑(がんせつ)なだれにより、北麓の集落が埋没するなどの甚大な被害を及ぼし、477人の犠牲者を出しました。


(赤枠で囲った部分の拡大図が下にあります)
また流れ出た土砂が周辺の河川を堰止めて、200とも300ともいわれる大小の湖沼群や水没林や小島などをつくりだし、現在の裏磐梯の神秘的で幻想的な独特の景観が形成されました。

今回は、「風景写真の聖地」ともいわれる(←本当?)裏磐梯に、管理人も行って参りましたので、その様子をご覧いただきます。


桧原湖(ひばらこ)は、磐梯山の噴火による堰止湖の中で最大の湖で、最大水深31メートル、湖周31.5キロあり、裏磐梯のシンボル的存在です。上の写真は、遊覧船や路線バスの発着場、ホテルやお土産店などが集まる「磐梯高原駅」で、裏磐梯観光の拠点になっているところです。

また、桧原湖の東南側(右の地図)は、大小の入江や湖沼が複雑に入り組んだ地形になっていて、これらを巡る探勝路やキャンプ場がいくつも整備されていて、アウトドアレジャーの宝庫ともいうべき一角です。

右の地図に点線で示したのが、今回、管理人が
「踏破した」(笑)探勝路で、下の写真と参照しながらご覧いただくと、全体の様子が分かりやすいかと思います。
この写真は「曽原湖(そはらこ)」です。これも磐梯山の噴火による堰止湖のひとつで、湖周3.5キロの可愛い湖です。湖畔にはペンションやキャンプ場がたくさんあります。

湖の中にはこうした小島がたくさんあって、霧や靄の立ちこめる早朝には、幻想的な風景が出現し、たくさんのカメラマンが押しかけます。

曽原湖は岸辺と湖面との段差が小さいため、撮影スポットには事欠かないのですが、大抵そういうポイントは湖畔のキャンプ場の敷地内になっていて、それでも昔は自由に入れたのですが、現在はほとんどが「無断立入禁止」になっていました。

きっと、キャンプ客がまだ寝ている早朝から、カメラマンが大挙して顰蹙をかったに違いありません。

自分のことを棚に上げて言うのも何ですが、写真愛好家の数とそのマナーのレベルは反比例しているような気がします。

カラマツ林が高原の清々しさを醸し出しています。

「レンゲ沼」です。ここの周回路(一周700メートル)は、バリアフリーになっていて、車椅子でも散策できる構造になっています。湖面を覆っている水草はヒツジ草です。

ここから「五色沼」の写真になります。沼へ流入している火山性の水質や沈殿物、植物・藻などの植生の関係から、緑、赤、青などの色合いを見せることが名前の由来です。

上の写真は五色沼のうちで最大の「毘沙門沼(びしゃもんぬま)」です。ここは五色沼の代表的な景観で、この日は好天に恵まれて、エメラルド色の湖水がひときわ鮮やかでした。

ここまで車が入れるので、探勝路(所要1時間余)を通り抜ける時間がないツアー客や、足が不自由なお年寄りなどは、毘沙門沼だけで引き返す方も少なくありません。

これは五色沼のひとつの「弁天沼」です。このように、毘沙門沼(上の写真)以外は、あまり眺望が開けないため、景観の満足度という点では、毘沙門沼ひとりで五色沼全体の4/5は担っているように思います。

桧原湖の西岸からみた景色です。広々とした湖水を行く遊覧船の向こうに磐梯山……、林間の探勝路とは別趣の、胸の空くような景観が拡がります。

これも桧原湖西岸にある細野キャンプ場付近です。こうして釣り(バス釣り?)に興じる人の姿をあちこちで見かけます。何かこう時間がとてもゆっくり流れているような気分に浸りますなぁ……(しみじみ)。

磐梯山の上に出たお月様と月光に映える桧原湖です。夜空の星がご覧いただけるかと思いますが、なかなか都会ではきれいに写りません。お月様の下に一直線に並んでいるのは飛行機の航跡です。

2日目も好天に恵まれました。上の写真は朝靄が晴れてゆく桧原湖です。

桧原湖東岸の探勝路を散策しました。ここにはたくさんのキャンプ場が点在していて、幸いここは「立入禁止」にはなっていなかったので、失礼して撮らせていただきました。

小学生と思われる一団が林間学校に来ていて、先生の指導でイカダを組み立てていました。こういう思い出って一生の記念になるんだろうなぁ……(しみじみ)。


水中から生えている(?)立木が不思議な景観をつくりだしています。
探勝路には入江を跨ぐ吊橋もあって、上と下の写真は橋の上から撮ったものです。上の写真が入江奥の方向、下の写真が桧原湖本体の方向です。

上の写真は小野川湖に注ぐ長瀬川、下の写真は「中瀬沼」というところです。残念ながら曇ってきたため写っていませんが、ここは正面に磐梯山が望める絶景ポイントで、ポスターやパンフレットでよくお目にかかる場所です。