(2007.7.8)


   

 

     

奥日光はN's TOWNで何度もご紹介している場所で、管理人お気に入りのフィールドですが、今回は中禅寺湖の西端にあたる千手ヶ浜に群生している「クリンソウ(九輪草)」を取材してきたのでご覧いただきます。

中禅寺湖の東岸は、国道120号線に沿って旅館や土産物店が建ち並ぶ観光の拠点ですが、左半分はまともな道路もなく、まだまだ豊かな自然が残っています。

千手ヶ浜の一帯も、普段は静かな湖畔ですが、クリンソウが花をつけるく6月上旬だけは、大勢の観光客で賑わいます。

ちなみに、「千手ヶ浜」という名前は、むかし日光輪王寺の千手堂がこの場所にあったことによります。
クリンソウというのは、山間や渓流沿いの湿地に自生するサクラソウ科の多年草で、紅紫色の花を2〜5段輪生状につけ、その様子が仏塔の頂に付いている九輪(右の写真)に似ていることから、その名がついたと言われています。花冠は径2〜3cmで、1段に10花程度ついています。
千手ヶ浜へは、戦場ヶ原の赤沼駐車場(右の写真)から、低公害ハイブリッドバス(所要30分・300円)が運行されています。上の地図の赤線区間がそれで、この一帯は環境保護のため、マイカーの乗り入れが禁止されています。

普段はゆったり座れるバスも、クリンソウの時期と紅葉の時期は、朝の通勤ラッシュ並みの混雑になります。
千手ヶ浜のバス停近くにも小さな群落があって、清流に赤い花を映して咲いています。

紅紫色(上の写真)が基本ですが、白色(下の写真)や斑入りのものもあります。

ここが湖畔で最大の群生地です。(説明書きによると)この場所は日光輪王寺の管理地で、個人の方が同寺の委託をうけて、クリンソウを管理・育成されているそうです。従って、まったくの野生というわけでもありません。

帰りはこの時期だけ寄航する遊覧船で菖蒲が浜まで戻りました。上の地図の青線区間がそれで、約20分ほどの短い乗船ですが、梅雨時とは思えない青空と湖面を渡る風に、ひと足早く夏を先取りした気分でした。