(2007.5.20)


   

 

     

奈良盆地の南縁から五条を経て高野山へ向かう道を「高野街道」といい、現在の国道24号線がほぼそのルートを辿っています。県南の御所(ごせ)市を抜けた国道は、右手に金剛山を見ながら徐々に高度を上げていきます。

登りつめたところが「風の森峠」という風趣ありげな名前の峠で、標高は250メートルに過ぎませんが、大和川水系と吉野川(紀ノ川)水系の分水嶺になっていて、道はここから五条市、橋本市(和歌山県)へと下っていきます。

今回ご覧いただくのは、その風の森峠の近くにある船宿寺(せんしゅくじ)という真言宗の古刹です。寺の縁起によれば、奈良時代の神亀(じんぎ)2年(725年)の開山とあり、文字通り「千年の法灯」を今日まで守り続けていることになります。



金剛山を正面に望む境内には、四季折々の花々が咲き乱れますが、とりわけ数百株に及ぶというツツジやサツキが満開になるこの時期は、観光バスも立ち寄り大勢の参詣者で賑わいを見せます。
オオデマリが見事な花をつけていました。

緑陰に小さな祠が……

ここのツツジはどれも株が大きくて見事です。