(2006.7.9)


   

 

    

霞ヶ浦は琵琶湖に次ぐわが国第2位の広さを誇る淡水湖ですが、かつてはこの辺りまで海が大きく湾入していたため、現在でも大小の湖沼が残り、数多くの水路が縦横に走る、なかなか「水っぽい」地域で、中心の潮来(いたこ)市は水郷都市として知られています。

古来より真菰(まこも)の茂る湿地にアヤメが群生していたようで、水戸光圀公が詠んだとされる「潮来出島の真菰のなかにアヤメ咲くとはしほらしや」という唄が残されていますが、いまも貴重な観光資源として、毎年6月にはアヤメ祭りが開催されています。

今回はそのアヤメ祭りの様子を取材してきたのでご覧いただきます。

市内には3箇所の市営アヤメ園(!)がありますが、前川という水路に沿って400メートルほど続く前川アヤメ園が最も大きく、色とりどりのアヤメが咲き乱れるなかを、木道を歩きながら鑑賞することができます。

アヤメ祭りもここをメイン会場にして色々な催し物が行われます。なかでも見ものは「嫁入り舟」です。白無垢姿の花嫁さんが「さっぱ舟」と呼ばれる手漕ぎ舟で輿入れする様子を復元したもので、祭りの期間中の土日に「運行」(?)されます。花嫁さんは地元商工会青年部の有志によるダミー(失礼!)の場合もありますが、公募による本物の花嫁さんの場合もあり、たまたまこの日は本物の方でした。
年配の方は、花村菊枝さんが歌った「潮来花嫁さん」をご存知かと思いますが、アレがコレ(上の写真↑)です。潮来といえば橋幸夫さんのデビュー曲「潮来笠」も有名ですが、コレ(下の写真↓)がアレです。
ちなみに「潮来花嫁さん」も「潮来笠」も共に昭和35年(1960年)のヒット曲で、花村さんも橋さんもその年の大晦日のNHK紅白歌合戦に「初」出場されています。ちなみに、その年の総合司会は高橋圭三アナウンサー(故人)と中村メイコさんでした。ちなみに、橋幸夫さんは3年前に還暦を迎えられました。(……と、例によってウンチクが暴走してしまい失礼しました)

前川には12の橋が架かっていて「さっぱ舟」で遊覧することができます。前川十二橋巡りと呼ばれていて、民営の舟は船外機付きのモーターボートですが、市営の舟(6月中のみ運行)は昔ながらの櫓舟で情緒があります(お一人1,000円)。

櫓舟には商工会青年部の女性が扮する「娘船頭さん」が漕ぐ舟もあって、なかなか凝った趣向になっています。


下の写真は昔の野良着姿で花殻摘みに精を出すオバチャン達で、頭に被っているのが元祖「潮来傘」です。こういう風景は絵になってとても風情があるのですが、この格好で遊覧船の客引きもやっているので、うっかり路上で出くわすとなかなか離してもらえません(笑)。

いつもご来場・ご高覧ありがとうございます。到来ものですが、よろしければお一つ摘まんでお帰りください。