(2005.10.23)


   

 

    

例年なら9月末迄にはあがる秋の長雨が今年は10月に入って本格化し、毎週末を狙ったように降り籠められているうちに、気がつけば紅葉シーズンの前半戦(山間部の紅葉)は早くも幕を閉じようとしています。

そこで今回は、折りからの秋霖を突いて、かねてから計画していた上高地・乗鞍方面へ強行取材(笑)して参りましたので、今回(上高地編)と次回(乗鞍編)に分けてご覧いただきます。
上高地はかつてN's TOWNでもご紹介しましたが(「戸隠・上高地」 2005-6-12号)、雨に祟られて満足な撮影が出来なかったためリベンジを期していたところ、今回またしても雨の再訪となってしまいました(泣)。

「晴れには晴れの、雨には雨の撮り方がある」といわれます。
N's TOWNとしても、四季の自然を主題にしている以上は、雨は避けて通れないものと観念し、今回は「雨には雨の撮り方」に挑戦してみました。

前回は大正池から河童橋までを散策したので、今回は更に奥へ進んで、河童橋から明神までの往復約7キロを散策してみました。「奥へ」といっても遊歩道が整備されているので、お年寄りや子供でも平気ですが、それでも往復約2時間は掛かるため、団体客でごった返す大正池〜河童橋とは些か趣を異にします。
ここが明神というところです。現在では河童橋の周辺が観光の中心になっていますが、かつてはここが林業や登山の基地として上高地の中心でした。ここには明神館という山小屋(上の写真)があって、今でも穂高連峰への登山口になっています。ここから梓川に懸かる明神橋(下の写真)を渡って、穂高神社・明神池へ向かいます。

穂高神社・奥宮(上の写真)の裏手に明神池が拡がっています。明神池は背後の明神岳から流出した土砂が付近の沢を堰き止めてできた池で、明神岳からの伏流水が湧き出る清冽な湖水にはイワナやマスが群れています。

明神池は一之池と二之池に分かれていて、原生林の緑を映す一之池(上の写真)と、奇岩や立ち枯れの木々が点在する日本庭園のような二之池(下の写真)が好対照を見せています。なお、明神池は穂高神社で管理されていて入場料(300円)が要ります。

上高地では至るところでマガモやオシドリを見ることができます。明神池にも多数棲息していて、危害を加えられないことを知っているため(?)近づいても逃げようとしません。下の写真がオスでその下の写真がメスです。

河童橋〜明神の区間には梓川の両岸に遊歩道がありますが、右岸の方がよく整備されていて景色も変化に富んでいるのでお奨めです。下の写真はその右岸遊歩道の河童橋寄りにある岳沢口湿原というところです。梓川が大きく湾曲する所へ周囲の沢から細流が流れ込んで繊細な景観を見せています。

次回(11月6日更新予定)は乗鞍方面の様子をご覧いただきます。