(2005.7.31)


   

 

    

下町に夏の訪れを告げる風物詩といえば、入谷(いりや)のアサガオ市(7月6〜8日)と浅草寺のほおずき市(7月9〜10日)があげられます。……と、偉そうに書いてますが、実はまだどちらも行ったことがなく、ぜひ一度カメラに収めたいと思っていました。

そこで、(アサガオ市の方は今年はあいにく平日にあたってしまったため)手始めにほおずき市の方を取材して参りましたのでご覧いただきます。浅草寺・本堂をとり囲むように約250軒の露店がよしずの軒を連ね、毎年2日間で約60万人の人出があるといいます。

それでなくても暑苦しい時季なので、今回はウンチクは控えめにして、ほおずき市の由来について、なぜ7月9〜10日なのか?、なぜほおずきなのか?、の2点に絞って、その「核心」に迫ってみたいと思います(笑)。

今日も仲見世は大混雑です。下の写真はいつも気になってカメラを向けてしまうお店です。しかし、いくら外人向けとはいえ、着物に鉢巻きはないでしょ。しかも、「必勝」って…。


お土産のお煎餅も今日はほおずき市にちなんだ涼しげな籠に入って並んでいます。
先ず、「なぜ7月9〜10日なのか?」ですが、観音様の縁日は毎月18日といわれていますが、この他に「この日にお参りすると百日分や千日分の日参に相当する」という功徳日が年に何日か設定されていて、なかでも、7月10日は「四万六千日(しまんろくせんにち)」といって、ゆうに10年分の御利益に与れるという超お得な(!)特別デーのため、善男善女で賑わうこの日に市が立ったようです。

とりあえず、一鉢2,500円というのが「協定価格」のようですが、定価で買う人はほとんど見かけません。画面右端のご婦人も入念に価格交渉をされてました。

次に、「なぜほおずきなのか?」ですが、こちらの方は諸説あってよく分かりませんが、その薬効(漢方では解熱剤)や鮮やかな朱色から、夏場へ向けて疫病を遠ざけ厄を払う願いが込められている、というあたりが正解かなと思います。

ちなみに、ほおずきは「酸漿」と書きますが(といっても、書けませんが…)、いかにも薬効のありそうな字面です。また、「鬼灯」とも書きますが、こちらもあのまがまがしい朱色と怪異な姿かたちを連想させます。どちらも難読漢字の横綱です。

上の写真のように切り花(?)で売られているのもあります。付き物の風鈴が江戸情緒を盛り上げてくれます。

ほおずき市が終わると梅雨明けも間近です。