(2005.4.3)


   

 

  

今回は浅草から水上バスで隅田川を下り、浜離宮庭園に立ち寄って晴海(はるみ)埠頭へ向かう、という水辺のルートを周遊して参りましたのでご紹介します。

スタート地点の浅草寺です。善男善女に混じって相変わらず外人さんが多いのですが、とくに最近は台湾や中国といったアジアからの団体さんが目立ちます。あまりにも有名スポットのためウンチクの出る幕がありません。(悔)

吾妻橋のたもとにある乗船場から「水上バス」乗り込みます。この水上バスは東京都観光汽船という会社が運航していて、大小13隻の観光船で隅田川から湾岸の各地を縦横に結んでいます。詳しくは同社の公式HP[こちら]をご参照ください。

川下りで気をつけないといけないことがあります。もともと水面から橋桁まであまり高さがないため、満潮時には「特等席」の屋上デッキが閉鎖されるので、室内から限られたアングルで、しかも窓ガラス(←また、これが汚い!)越しに、撮影する羽目になります。実は今回がそうでした……。(泣)

岸辺の風景も、向島や浅草の辺りは桜の名所で、今でも「墨堤」といった風情を残していますが、佃島や月島の辺りまで下ってくると、再開発で街の様相がすっかり変貌し、昔の面影は(といっても、よく知りませんが(汗))どこにも見られません。

下の写真は、正面が勝鬨橋(かちどきばし)、左手の最も高いビルが築地の聖路加タワー、正面奥に見えますのが佃島のリバーシティ21のビル群(主としてマンション)でございます。ちなみに、賃貸マンションのお家賃水準は3LDK(80u前後)で25〜30万円でございます。(高)

ここは佃島の北側突端部にあたり、かつては石川島播磨重工の造船所があったところで、さらに遡れば、あの鬼平こと長谷川平蔵が人足寄せ場を作ったところです。ちなみに、「人足」も「寄せ場」も、今やマスコミでは「不適切用語」になっているようですが、歴史的上の呼称なので
N's TOWNではそのまま使用しました。(怖)



隅田川に架かる12個の個性的な橋をくぐり、約30分で浜離宮庭園の船着き場に到着します。浜離宮庭園は昨年の
N's TOWN(4月25日号)でご紹介したので詳細は省略しますが、こうして船で訪れるとまた別趣の風情があります。

浜離宮庭園の背後にそびえる右手の青色の近代的なビルは電通の本社です。このビルには商業施設も併設され、「カレッタ汐留」という名前の複合施設になっていて、46階にある展望スペース(無料)から撮ったのが下の写真です。
 
「カレッタ汐留」はさすが電通本社のビルだけあって、あか抜けた斬新な内装設計は素人目にもひと味違う印象を受けますが、デザインや景観を重視するあまり(?)、案内表示が少ないうえに分かりにくくて、管理人のような田舎モンには何か落ち着かない場所です。(辛)



汐留から日の出まで「ゆりかもめ」(臨海新交通)で移動し、日の出埠頭から再び水上バスで晴海埠頭へ向かいます。カモメが群れてイイ感じですが、すぐ向こう岸なので10分で渡ってしまいます。(早)



「東京港」というのは、いわゆる湾岸地域に散在する埠頭や桟橋の総称です。地域ごとに棲み分けのようなものがあって、外航貨物船は品川・大井地区、内航貨物船は有明・辰巳地区、内航フェリーは有明地区、伊豆諸島航路は竹芝地区、観光遊覧船(含、水上バス)は日の出地区、といった具合になっています。

そして、ここ晴海は「首都東京の海の玄関にふさわしい本格的な国際客船埠頭」(東京都港湾局)ということになっていて、1991年(平成3年)5月に右の写真のような立派な客船ターミナルが完成しました。写真の建物の裏手が岸壁になります。

国際客船といえば横浜港の大桟橋が有名で、晴海埠頭といえば南極観測船の方が管理人にはピンときます。ちなみに、南極観測船は第1次隊(昭和31年11月出港)の「宗谷」から第46次隊(平成16年11月出港)の「しらせ」まで、すべて晴海埠頭から出発しているので、ニュースなどで耳にされたことがあると思います。

もともと外航客船というのは、そんなに頻繁に寄港するものではないため、普段は実に閑散としていて、施設が立派過ぎるだけに一層侘びしさがつのります。この日も農水省の調査船が1隻ポツンと係留されていただけでした。(淋)

レインボーブリッジを正面に眺める広場には小洒落た照明灯やオブジェなどもあって、かつては隠れたデートスポットだったそうですが、今では飲食・商業施設が充実している対岸のお台場地区が人気を集めているようです。