(2005.2.20)


   

 

 

 

梅一輪いちりんほどの暖かさ (嵐雪)


立春も過ぎて暦のうえでは春となりましたが…、と月並みな書き出しで始めてしまいましたが、まだまだ寒さはこれから本番を迎える中、「梅まつり」を間近に控えた水戸の偕楽園に行って参りました。


偕楽園は水戸藩第9代藩主の徳川斉昭公(注)によって江戸時代に築造された庭園で、約4万坪の園内には100種3,000本の梅がかぐわしい香りで早春の訪れを告げています。…と言いたいところですが、陽当たりのいい南側の斜面を中心にまだ「二分咲き」程度の開花状況で、どちらかというと「梅一輪…」の方がピッタリする情景でした。

(注)ちなみに、水戸黄門で有名は徳川光圀公は第2代藩主、また徳川幕府最後の第15代将軍になる徳川慶喜公は斉昭公の7男になります。

お陰で人混みに揉まれることなく撮影には好都合でしたが、「二分咲き」を「満開」のように見せるには管理人の腕前では力及ばず、どうしても寒々とした絵柄になってしまいました。今年の梅まつり(第109回!)は2月20日(土)から3月31日(木)にかけて開催されますが、今回は梅まつり「直前情報」(笑)という趣向でご覧ください。




偕楽園の中ほど、千波湖を見下ろす高台に位置する「好文亭」という建物です。木造2層3階建で、斉昭公の別荘として詩歌の会や茶会などに使用された、とあります。何ひとつ飾り気のない質朴とした造りは、いかにも水戸らしい尚武の気風が感じられます。

偕楽園の南斜面の直下がJR常磐線の線路になっていて、梅まつり期間中だけ毎週末ここに臨時駅が開設され、特急を含め全ての「下り」列車が停車します。この臨時駅の歴史は意外に古くて、大正14年2月2日に開業していますが、当時から下りホームしかないため、上野方面へ帰る上りの乗客は水戸駅までバスで出るか、下り列車で水戸駅まで行って上り列車に乗り換える必要があります。これは、当時、観梅客が水戸市内に立ち寄らないで帰ってしまうことを懸念して上りホームを作らなかったため、と言われています。ただし、平成5年3月に千波湖畔で開催された第10回全国都市緑化いばらきフェアの際に一度だけ上りホームが作られたことがあります。(←久し振りにウンチク炸裂!)
臨時駅を通過する下り列車
↑上の写真のみ「蔵出し(即ち、旧作)」です。悪しからず。

千波湖を望む南崖に咲く白梅