(2004.9.5)


   

 

 

ヒマワリはキク科の一年草で、原産地は北米の中西部、日本へは17世紀中頃に中国から渡来した、とあります。そういえばキクの面影が残っているような気も……。

そのド派手な姿かたちと、目にも鮮やかな黄色は、真夏の風景になくてはならないアクセントです。とくに黄色というのは青色の反対色(補色)なので、白雲が浮かぶ盛夏の青空をバックに撮ると、生ビールが欲しくなるような(笑)写真ができあがります。

ヒマワリの難点といえば、個性が強すぎて周りの風景と掛け合わせるのが難しいことです。要するに、我(が)が強すぎて自分が主役でないと納得しないところがあります。人間でもこういう人いますよネ。そのため、「ヒマワリの写真」として撮るしかなく、よく言えば分かりやすい、悪く言えば決まりきった、写真になってしまいます。

とはいえ、写材枯れの夏場には贅沢を言っておられないので、今回はそのヒマワリを取材に行ってきました。調べてみると、ヒマワリの「名所」というのは全国いたるところにあって、そのほとんどが地域振興や村おこしのために、休耕田を利用して「ヒマワリ畑」にしているものです。

ヒマワリは一見頑丈そうに見えますが、意外に花期が短くて、開花後1週間もすると花が下を向いて、人間でいうとグッタリした感じになってしまいます。しかし、ヒマワリ畑が各地にあることと、花の種類によって開花時期が異なることから、ほぼひと夏を通じてどこかで何かのヒマワリを見ることができます。

今回は茨城県真壁郡明野町、というより筑波山の裏側(北側)と言ったほうが分かりやすいかと思いますが、こちらのヒマワリ畑を取材してきました。ここのヒマワリは遅咲きの東北八重という種類が中心で、大輪の一輪咲きではなく、枝分かれして小振りの花が複数咲くのが特徴です。

こんな角度から撮るとヒマワリに叱られそうですが、ヒマワリの「後ろ姿」というのは、どことなくユーモラスです。

 
明野町からひたちなか市のひたち海浜公園へ移動しました。ここは四季折々の花が植栽されていて、かつてN's TOWNでもスイセンを取材したことがあります(2002.4.21号ご参照)。ここにもヒマワリ畑があって、こちらは大輪一輪咲きが植えられています。やや花期のピークは過ぎていましたが、青空をバックに「お約束」の写真を撮ってきました。

最後にヒマワリ畑撮影のワンポイントアドバイス。ヒマワリは丈が2メートル近くあって、花も太陽を仰いで顔を上げているため、自分の頭上で花が咲いている格好になります。そこで活躍するのが脚立(!)です。50センチくらいの小振りのもので十分です。ちょっと荷物になりますが現場で重宝することうけあいです。