(2004.-2.11)


   

 上毛の氷瀑

 

群馬県には「上毛かるた」(初版=昭和22年)というのがあって、「つ」の札(ふだ)は「鶴舞う形の群馬県」となっています。右の地図をご覧の通り、鶴が右下(南東)に首を向けて、上下(北東〜南西)に翼を拡げたような形をしています。



「鶴舞う形の群馬県」
今回はその鶴の右翼部分にある藤岡市へ出かけて、山間にある氷瀑を取材してきました。藤岡市は群馬県の南の玄関口に位置する町で、関越道から上信越道が分岐する「藤岡ジャンクション」といえばご存じの方も多いかと思います。

埼玉県に接する鶴の右翼部分は、なだらかな丘陵をイメージしがちですが、実際は意外に山が深くて、右翼の先端(上野村)には昭和60年8月に日航機が墜落した御巣鷹山(1,639m)が聳えています。



例によって、写真をクリックすると大きい画像が見られます。

藤岡市は東西に長い町で、藤岡ジャンクションのある中心市街地は町の東端にあって、西進するにつれて山に分け入る格好になり、とても同じ市とは思えない(藤岡の方ゴメンナサイ!)山村風景が展開します。上信越道の藤岡ICから県道175号線を約40分ほど走った上日野地区上平という所に今回ご紹介する氷瀑があります。
 
通称「上平氷瀑」と呼ばれていますが、近くを流れる鮎川の北側斜面に滴る岩清水が凍ったもので、「氷」は間違いないですが、「瀑」というほど大掛かりなものではありません。「氷瀑」は2箇所に出来ていて、高さ5m×幅20mと高さ10m×幅10mのこぢんまりとしたものですが、岩間から滲み出した地下水が幾重もの氷柱となって川面に至る様子は一見の価値があります。