(2003.11.-2)


 

 

日光中禅寺湖

 

日光は紅葉狩りの名所として定番中の定番ですが、なかでも中禅寺湖から先の奥日光は、湖水(湯の湖)、滝(湯滝・竜頭の滝)、湿原(戦場ヶ原・小田代ヶ原)、山地(日光白根から奥鬼怒に至る山塊)とバリエーションに富んだ景観が広がり、紅葉シーズンだけでなく一年を通じて味わい深いエリアで、N's TOWNでも何度か撮り上げたのでご記憶の方もおられるかと思います。

今年の奥日光の紅葉は、戦場ヶ原付近が10月11日から13日にかけての三連休、中禅寺湖付近が10月20日頃に見頃を迎えましたが、管理人は荒天や出張に邪魔されて出遅れてしまいました。関東地方の紅葉はこれからが本番を迎えますが、やはり奥日光の紅葉は格別のものがあり、撮り逃がしたでは済まされない(?)ので、出遅れを承知で行ってきました。

いろは坂周辺はちょうど紅葉のピークを迎えていましたが、中禅寺湖以遠はやはりピークを過ぎていて、そのうえ無理して出かけたためお天気にも恵まれず、いまひとつ彩りに欠ける撮影行となりました。そこで、急遽予定を変更して、中禅寺湖畔にあるイタリア大使館の別荘を中心とした構成にしてみました。

   

 

例によって、写真をクリックすると大きい画像が見られます。
   

第2いろは坂の明智平から眺めた第1いろは坂です。第1いろは坂は下り専用で、早朝のため通行車両が見当たりませんが、昼過ぎからは帰り車でギッシリ渋滞します。

 
中禅寺湖の西岸から「八丁出島」と呼ばれる半島が湖水に突き出ていて、シーズンには見事な紅葉で彩られます。湖岸の木々がすっかり色を落としたなかで、写真の一帯だけが紅葉の名残をとどめていました。
中禅寺湖畔は標高1,269メートルに位置し、真夏でも大変涼しくて過ごしやすいため、明治中頃から昭和初期にかけて各国の大使館や外国人の別荘が建ち並び、国際避暑地として賑わい発展しました。いまでもイギリス、フランス、ベルギーなどの大使館の別荘があって夏季を中心に利用されています。イタリア大使館別荘もそうした別荘のひとつとして昭和3年に建築され、平成9年まで歴代の大使に使用されてきましたが、平成10年に栃木県が買収し建物を復元保存したうえで、平成12年10月から公園として公開されています。中禅寺湖南岸の立木観音前にある県営歌が浜駐車場(無料)から徒歩15分です。
建物は内外装ともに杉皮をふんだんに使っていますが、杉皮の貼り方ひとつをとってみても、前衛的でありながら周囲の景観と見事に調和し、そのデザインセンスにはただただ脱帽するほかありません。

別荘がある一帯は八丁出島を正面に望む静かな湖畔で、背後を囲む豊かな森が建物をいっそう引き立てています。こういうところで、湖畔に打ち寄せる波の音を聞きながら一日を過ごすだけでも寿命が伸びそうです。

邸内も公開されていて、什器・調度品の類も当時のままに展示されています。室内にはもうストーブが入っていました。
室内から窓越しに見る湖水や紅葉はそのまま一幅の絵画。木製の窓枠や当時のゆがみのあるガラスもいい味を出しています。
戦場ヶ原一帯にはカラマツが多く見られ、この時期には黄葉が夕日に映えて金色に輝きます。
戦場ヶ原から少し入ったところに光徳牧場があって、カラマツ林に囲まれた牧場で牛馬がのんびり草を食んでいます(うらやましい…)。
 

 このページの壁紙およびタイトルバックアニメは「幻影素材工房」さんから拝借しました。