(2002.-9.-8)


     

晩夏の奥日光

 

 

何となく行き尽くした感のある日光周辺ですが、今回は夏休みの一日を利用して、中禅寺湖の北岸から千手(せんじゅ)が浜・西の湖(さいのこ)方面を散策してみました。


中禅寺湖の東岸、というか右半分は、国道120号線に沿って旅館や土産物店が建ち並ぶ観光の拠点ですが、左半分はまともな道路もなく、まだまだ豊かな自然が残っています。

今回は、竜頭の滝から菖蒲が浜を抜け、中禅寺湖の北岸を巻いて千手が浜へ、さらに西の湖へと足を伸ばしました。題して「晩夏の奥日光」、ごゆっくりどうぞ。

■菖蒲が浜にある日光プリンスホテルの横を抜けると、千手が浜へ至る道がスタート。道標も完備していて迷うことはありませんが、崖っぷちを巻くような道で、足元はそれなりの準備が必要です。菖蒲が浜から千手が浜までゆっくり歩いて約90分。また、夏期は菖蒲が浜←→千手が浜の船便(1日2便)もあり。

■千手が浜から西の湖へも遊歩道が整備されていて、約30分の行程。

■帰路は西の湖近くから竜頭の滝近くまでバスを利用。なお、赤沼茶屋から小田代原を経て千手が浜に至る道路は環境保護のため低公害路線バス専用でマイカーは通年乗入禁止です。


菖蒲が浜へ下りる途中の竜頭の滝。秋には滝の両側も紅葉で染まる。
菖蒲が浜スキー場(日光プリンスホテルの近く)に群生するオオハンゴンソウ(キク科の帰化植物)。  
菖蒲が浜から千手が浜へ至る途中にある「赤岩」というポイントから見た中禅寺湖北岸。紅葉の頃はこの辺りもきっと見事でしょう。
中禅寺湖の北岸にはこうした静かな入江があちこちにあります。この辺りは歩いて来るしか道がないので、森閑とした佇まいを保っています。入江に寄せる波の音、岸辺に木陰を揺らす森の木々…、アキアカネの群れが短い夏の終わりを告げていました。
西の湖はミズナラの林に囲まれた小さな湖で、もとは中禅寺湖と一体だったとか。干満の差が大きく、この日はどちらかというと渇水。
緑の淵を縫って竜頭の滝へ至る湯川の流れ。
右手が湯川(上の写真)、奥が竜頭の滝方向になります。平日のため行き交う人もなく、岩を噛む清流の音を聞きながら林間の小径を往くのも乙なものです。