(2002.-8.-4)

写 真 館

キスゲ咲く高原


長野県のほぼ中央を東西に横たわる溶岩台地が蓼科・霧ヶ峰で、東側の八ヶ岳方向から順番に「蓼科エリア」−「霧ヶ峰・車山エリア」−「美ヶ原エリア」と連なって西側の松本方向に至ります。平均標高は1,600メートルで、若干のアップダウンはあるものの、全体が草原に覆われて360度のパノラマを欲しいままにできます。



ビーナスライン (2002年2月から全線無料開放)
四季折々の草木が高原を彩るが、なかでも梅雨明けを待っていたように咲き乱れるニッコウキスゲはその白眉。緩やかにうねる丘陵を埋め尽くす明るい黄色は高原の夏になくてはならない彩りを添えます。

キスゲには4〜5年に1回の割合りで当たり年あるそうで、冬季の積雪が多いこと、アブラムシの発生が少ないこと、梅雨に適度の雨量があること、といった条件が揃うと花の付きがいいとか。毎年見ているわけではないのでエラそうなことは言えませんが、今年のキスゲも十分見事でした。



大門峠からビーナスラインを車山方向へ少し上ったところ。眼下の湖は白樺湖で周辺の観光拠点になっています。
車山の中腹付近に拡がるキスゲの群落。正面の山は蓼科山(2,530メートル)です。  
車山高原一帯は冬にはスキー場になる所で、車山頂上(1,925メートル)へもリフトで上がることができます。左の写真はリフトの中腹駅から麓へ下る散策路で撮ったもので、白樺湖を見下ろす高台に1本のシラカバがまるで映画のセットのように立っていました。

(右上の写真の拡大画像はありません)
タムラソウとかいうアザミに似た花。この他にも、ヤナギラン、ホタルブクロ、ウツボグサ、カワラナデシコ、シシウド、といった植物も見ることができました。
白樺湖の近くにある女神湖まで足を伸ばしました。付近の湿原を堰き止めて作った1周30分くらいのかわいい人造湖で、立ち枯れの木々が湖水に影を落としています。
車山山頂へ向かう尾根の両側にもキスゲの群生が見られます。山頂のドームは気象レーダーで、富士山レーダーの後継として建設されました
山頂の南側斜面に拡がるキスゲの群落を発見!(散策路からちょっと外れるので気付く人が少ない) 下を走る道はビーナスラインです。下界の炎暑がウソのように涼風が吹き上げてきます。
山頂から車山肩へ下る。眼下の駐車場が車山肩で、ここは山頂・霧ヶ峰・八島湿原どこへ行くにも便利な位置にあり、一帯のハイキングの拠点になっています。このため、さして広くない駐車場目がけて両方向から車が殺到し、ビーナスラインは大渋滞。
車山肩の北側斜面に拡がる群落。カメラでは上手く撮れませんが、正面遠方の斜面もキスゲの黄色い絨毯で覆われています。
車山肩の通称「ビーナスの丘」に拡がるキスゲの大群落。これを見られただけで大渋滞の苦労も吹き飛びます。尾瀬もそうですが、こうした景観というのは、やはりそれなりに苦労しないと味わえないのかもしれませんネ。